- 著者
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西澤 信行
河井 恒
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.105, no.572, pp.67-72, 2006-01-20
最良優先探索に基づく素片選択処理について検討を行う. 多くの素片接続型音声合成システムでは, 動的計画法に基づく素片選択処理が行われているが, それ以外の探索手法として, ヒューリスティックを基づく手法が考えられる. 本研究ではA^*アルゴリズムに着目し, 許容的でないヒューリスティック関数を用いた場合も考慮した, 素片選択アルゴリズムを導入する. 素片選択処理において, 複雑な処理を要するヒューリスティック関数の導入は現実的ではないことから, 本研究では, 平均コストを用いた単純なヒューリスティック関数を用いることとした. 実際の素片選択処理では, 可能な処理時間が限られているが, これに対応する実験として, 従来法であるビームサーチを併用した動的計画法に基づく探索と, 最良優先探索のそれぞれについて, 接続コスト計算回数が同一条件となるような素片選択実験を行い, それら結果をコスト上で比較した. 実験結果では, 従来手法と比較し, 最良優先探索により良い結果を得ることができなかったが, 素片選択への最良優先探索適用は, 同一仮説の重複展開の影響による探索の非効率性が現れやすいものと考えられる.