著者
横田 茉莉 西田 昌道 中原 慎二 坂本 哲也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.498-503, 2018-06-30 (Released:2018-06-30)
参考文献数
11

急性アルコール中毒での救急搬送件数は,年々増加傾向にある。2015年1月1日〜2016年12月31日までに当院救急外来を受診した患者のうちエタノール血中濃度を測定した1,265例を対象とし臨床所見(意識レベル・嘔吐の有無,帰宅までに要する時間,輸液量)について検討を行った。男781例,年齢中央値30歳,エタノール血中濃度の中央値は219mg/dlであった。エタノール血中濃度と意識レベルはSpearman相関係数0.50で,弱い相関しか認められなかった。嘔吐の有無でエタノール血中濃度に差はなかった。輸液量,帰宅までの時間もエタノール血中濃度と相関は認められなかった。臨床症状からのエタノール血中濃度の予測は難しいことが示唆された。