- 著者
-
澤村 豊
間瀬 誠子
髙田 教臣
佐藤 明彦
西谷 千佳子
阿部 和幸
増田 哲男
山本 俊哉
齋藤 寿広
壽 和夫
- 出版者
- 園芸学会
- 雑誌
- Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
- 巻号頁・発行日
- vol.82, no.3, pp.222-226, 2013 (Released:2013-10-12)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
-
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ニホンナシは配偶体型自家不和合性を有し,結実には他家受粉が必要となる.本研究では,ニホンナシの自家和合性個体を作出するため,自家不和合性品種の‘幸水’にガンマ線を緩照射し,その‘幸水’より採取された花粉を無照射の‘幸水’に受粉し,交雑実生を獲得した.その結果,自家受粉で 74.4%の結実率を示す自家和合性個体 415-1 を得た.PCR 法により S-RNase の遺伝子型を解析したところ,415-1 は‘幸水’と同じ S4S5 であった.415-1 の自家和合性が花粉側変異,花柱側変異の何れによるものかを受粉試験により調査した.415-1 に同じ S 遺伝子型をもつ品種(‘秀玉’および‘王秋’)の花粉を受粉しても結実が確認できなかったことより,415-1 の S4- および S5-RNase は機能していると考えられた.一方,‘秀玉’および‘王秋’に 415-1 の花粉を受粉したところ,種子を有する果実の結実が確認された.これらの結果から 415-1 は花粉側の自家和合性変異体であると判断した.