著者
堀井 一樹 鈴木 高二朗 西野 好生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_1117-I_1122, 2018 (Released:2018-11-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

ケーソン式護岸では,裏込石と埋立砂の間に敷設された防砂シートの破損に起因する埋立土砂の流出(吸い出し)とそれに伴う陥没が頻繁に発生している.港湾の技術基準に示されている最低規格の防砂シートが一般的に用いられているものの,その強度は波の作用に対して不足している場合が多く,かねてより防砂シートの損傷に起因した堤体背後の陥没被災が発生している. そこで,本実験では,波による防砂シートの損傷メカニズムを明らかにするため,これまで実施されてこなかった水理模型実験による防砂シートの損傷実験を初めて実施した.その結果,防砂シートは数十万波(数日)の波の作用で容易に損傷すること,織布と不織布で損傷形態がことなることが明らかとなった.また,ジオグリッドを用いた対策工が有効であることも明らかとなった.