著者
鈴木 高二朗 竹田 晃 下司 弘之 亀山 豊 清水 勝義
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.331-335, 2005-10-07 (Released:2010-06-04)
参考文献数
3

東京湾フェリー “かなや丸” に設置されたADCPによって, 東京湾口の流向流速を高密度でかつ連続的に得られている. しかし, フェリーが東京湾を出入りする船舶を避けて航行するため観測位置が固定しないため, 通常の調和解析を用いて潮汐成分と残差流成分を分離するのが困難だった. そこで, 3次の空間的な多項式関数として取り扱う解析手法 (3次元調和解析) と標準航路に流速ベクトルを射影することでフェリーの蛇行を無視した解析手法 (射影断面での調和解析) を用いて調和定数を算出した. 観測データからこれらの手法で得られた潮汐成分を取り除くことで, 黒潮系暖水の流入等の残差流成分の推定が可能となった.
著者
鈴木 高二朗 河合 弘泰 仲井 圭二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_926-I_931, 2011 (Released:2011-12-08)
参考文献数
5

南関東沿岸の異常潮位に関する研究を行った.異常潮位はその継続時間によって2種類に分類できる.継続時間が短い異常潮位に関しては,銚子付近における北系の強風と高波が異常潮位の生成に重要な役割を果たし,異常潮位は南関東沿岸を伝播する.継続時間の長い異常潮位に関しては,黒潮の離岸距離が異常潮位の大きさと関係している.野島崎から黒潮までの距離が近いほど,異常潮位は発達する傾向がある.
著者
鈴木 高二朗 永井 紀彦 柳嶋 慎一 久高 将信 小川 路加
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.129-133, 2008 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8

Ocean wind is larger and more suitable for wind farm than inland wind. Recently, ocean wind farm has been constructed in Europe using 5MW wind power facility. Japan is surrounded by ocean and seems to be suitable for construction of ocean wind farm. However, the amount of the shallow and low wave energy area for ocean wind farm is limited except semi-enclosed bay like Tokyo bay.When we see Tokyo bay, shallow area (shallow more than 15m) is located north of Futtsu Point in Chiba prefecture. Such a shallow area is near to urban area, so the construction cost seems to be lower. In this paper, feasibility study on the ocean wind farm north of futtsu point in Tokyo bay is done compared with the other coasts of Japan.
著者
堀井 一樹 鈴木 高二朗 西野 好生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_1117-I_1122, 2018 (Released:2018-11-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

ケーソン式護岸では,裏込石と埋立砂の間に敷設された防砂シートの破損に起因する埋立土砂の流出(吸い出し)とそれに伴う陥没が頻繁に発生している.港湾の技術基準に示されている最低規格の防砂シートが一般的に用いられているものの,その強度は波の作用に対して不足している場合が多く,かねてより防砂シートの損傷に起因した堤体背後の陥没被災が発生している. そこで,本実験では,波による防砂シートの損傷メカニズムを明らかにするため,これまで実施されてこなかった水理模型実験による防砂シートの損傷実験を初めて実施した.その結果,防砂シートは数十万波(数日)の波の作用で容易に損傷すること,織布と不織布で損傷形態がことなることが明らかとなった.また,ジオグリッドを用いた対策工が有効であることも明らかとなった.
著者
中野 敏彦 宮田 正史 清宮 理 菊池 喜昭 岩波 光保 下迫 健一郎 鈴木 高二朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_312-I_317, 2018 (Released:2018-09-12)
参考文献数
6

旺盛な需要が見込まれる開発途上国のインフラ整備に対応して,インフラの品質を確保し,日本のインフラ輸出に寄与するため,技術基準の整備が重要である.一方,日本の港湾設計基準は,国内基準の進化により途上国で求められる技術水準や自然条件との相違が大きくなる傾向にあり,そのままでは途上国での適用・普及が難しくなっている.このため,日本の港湾設計基準を相手国の自然条件等の事情に合わせて調整した上で,相手国の基準として利用してもらうという新しいアプローチが重要である. 本研究では,日本とベトナムとの間で行われたベトナムの港湾の新しい国家技術基準の共同策定を通じて得られた知見から,設計において重要となる設計条件の設定方法について,潮位,波浪,地盤,耐震設計等の相違点とその調整方法と課題について論じる.
著者
鈴木 高二朗 渡邊 和重 山本 悟 梅崎 康浩 小澤 康彦 村上 俊春
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.726-730, 2004

宮崎港南防波堤は全長2, 150mで, 昭和56年から建設が進み, 現在, 建設の最終段階にある. 当防波堤は夏期の台風のため設計有義波高が10m以上と大きく, 細粒の砂地盤上に設置されるため各種洗掘防止工を用いて室内実験や現地実験を重ねた上で, 現況の防波堤断面が決定されてきた. 現地実験では洗掘による防波堤の変形もあり, その防止工は施工法も含めて改良されてきている. 本研究では, 洗掘防止工の設計法の確立に資することを目的として, 宮崎港南防波堤での洗掘に関する現地実験と過去の洗掘の実態を調べるとともに, その対策法をとりまとめた.