著者
羽田野 直道 中村 統太 西野 晃徳 PETROKSY Tomio ORDONEZ Gonzalo
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

量子ドットの電流電圧特性を測定する実験は広く行われています。しかし、それに対応する理論には決定的なものがありません。本研究では従来の手法と独立で相補的な手法を開発しました。我々の方法は、電子間相互作用のない場合に決定的な手法であるランダウアー公式を、相互作用がある場合に自然に拡張した理論になっています。その手法を用いて、簡単な模型において厳密に電流電圧特性を求めたところ、電位差を増やすほど電流が流れにくくなる領域があることを見いだし、その原因を明らかにしました。電子間相互作用のために2つの電子が互いに束縛し合う状態ができますが、その状態が量子ドットを通過できないために起こります。