著者
鈴木 敦士 嶋倉 明彦 三木 貴司 清水 雅範 見山 源太郎 斎藤 信 池内 義英
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.104-110, 1990-02-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
19

屠殺前の廃鶏に, A. sojaeおよびA. oryzaeの産生する蛋白質分解酵素,パパイン,ならびに細菌性コラゲナーゼを注射して肉質への影響を研究した.その結果,筋原線維Z帯の成分が,パパイン, A. sojaeおよびA. oryzaeの産生する酵素によって分解されやすくなり,筋原線維のfragmentation の増加が認められた.また,筋肉内コラーゲンのサブユニットの分解,コラーゲン線維の開裂や膨潤も認められた. 食肉の軟化剤として広く使われているパパインに加えて,本研究に使用した醤油の生産に使われている麹菌の産生するプロテアーゼも,安全性および価格の面からも,食肉の軟化剤として有効ではないかと考えられる.