著者
越後谷 智子 見延 真奈美 金沢 京子 大場 公孝 村川 哲郎
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.51-61, 1998-02-10

おしまコロニー幼児トレーニングセンターつくしんぼ学級は,1993年より自閉症とその関連するコミュニケーションに障害をもつ人たちの治療教育であるTEACCHプログラムを導入している。このプログラムは,自閉症児やコミュニケーションに障害をもつ幼児の療育に有効であったとともに,他の発達障害をもつ幼児への療育にも少なからず影響を与えた。「通園療育」の基本的な考え方や日常の療育方法は,決して単一の技法やプログラムからのみ学んだものではないが,TEACCHプログラムから得た理論的かつ実践的な知識もまたそれぞれのクラス療育やつくしんぼ学級全体の療育体制のなかで,個に即した評価や工夫によってさまざまに応用されている。自閉症やダウン症などいろいろな発達障害をもつ幼児が混在するカレーパンマンクラスのM・K君の療育を通して,その成果と課題について報告する。