著者
金子 誠 角田 巌 冨家 和典
出版者
滋賀県農業総合センター農業試験場
雑誌
滋賀県農業総合センター農業試験場研究報告 (ISSN:13470035)
巻号頁・発行日
no.45, pp.37-43, 2005-03
被引用文献数
1

少量土壌培地耕の開発目的の一つは、土壌病害を回避することである。しかし、現場ではトマト青枯病の発病が確認されている。少量土壌培地耕は、用いる培土量が少ないため、太陽熱消毒が有効であると考えられる。そこで、青枯病菌の死滅温度および熱処理時間を解明し、太陽熱消毒によるトマト青枯病対策について検討した。1)トマト青枯病菌は、少量土壌培地耕内に侵入した場合、容易に培養液と培土内で菌濃度を高め少量土壌培地耕内で蔓延する。2)土壌中の青枯病菌は60℃1時間以上または45-55℃3時間以上の熱処理で死滅する。罹病トマト残さ中の青枯病菌は、60℃1時間以上または50-55℃3時間以上または45℃6時間以上の熱処理で死滅する。3)7月下旬-8月上旬に太陽熱消毒を実施した場合、ハウスを密閉した状態では1日間で、また、晴天時にハウスを開放した状態でも1日間で青枯病菌を殺菌できる。栽培機器への影響を考えると、晴天時にハウスを開放して太陽熱消毒を実施する方が実用的である。