- 著者
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石部 真人
角田 康夫
坂巻 敏史
- 出版者
- 行動経済学会
- 雑誌
- 行動経済学 (ISSN:21853568)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.230-234, 2010 (Released:2011-06-27)
- 参考文献数
- 8
ボラティリティの高い銘柄は相対的に低リターンであるというボラティリティ効果の原因を探るために,下方リスクの性質を調べた.下方リスク測定の基準として,平均,ゼロ,相対の3つを調べた結果,この中でプロスペクト理論の損失回避概念と最も整合的なゼロが基準として適していることが分かった.上方リスクの性質も調べた結果,将来リターンとの関係は下方リスクではトレードオフ,上方リスクでは逆トレードオフとなることが確かめられた.結局,リターンリバーサル効果は下方および上方リスクの複合効果として説明可能である.また,これら3つのリスク相互の影響関係を調べると,下方リスクと上方リスクはそれぞれ固有の効果を持つが,ボラティリティはこの2つのリスクの反映に過ぎないという可能性が高まった.