著者
石部 真人 角田 康夫 坂巻 敏史
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.256-259, 2012 (Released:2013-06-12)
参考文献数
11

日本株式市場において,個別銘柄は1~6月は上昇し7~12月は下落という明瞭な季節性を示す.この季節性とボラティリティとの関係を調べた結果,上昇期は高リスク・高リターン,下落期は高リスク・低リターンという関係が見られた.この原因として,投資家が年前半はリスク追求的になり,年後半はリスク回避的になるという様にリスク選好が季節変化している可能性が考えられる.ボラティリティの高い銘柄は相対的に低リターンというボラティリティ効果は上昇期よりも下落期の影響が大きいため発生している.投資家のリスク選好が季節変化している理由は,効果が半年間持続していることを考慮すると,冬至から夏至,夏至から冬至に至る日の長さの変化による説明に説得力があると思われる.
著者
石部 真人 角田 康夫 坂巻 敏史
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.230-234, 2010 (Released:2011-06-27)
参考文献数
8

ボラティリティの高い銘柄は相対的に低リターンであるというボラティリティ効果の原因を探るために,下方リスクの性質を調べた.下方リスク測定の基準として,平均,ゼロ,相対の3つを調べた結果,この中でプロスペクト理論の損失回避概念と最も整合的なゼロが基準として適していることが分かった.上方リスクの性質も調べた結果,将来リターンとの関係は下方リスクではトレードオフ,上方リスクでは逆トレードオフとなることが確かめられた.結局,リターンリバーサル効果は下方および上方リスクの複合効果として説明可能である.また,これら3つのリスク相互の影響関係を調べると,下方リスクと上方リスクはそれぞれ固有の効果を持つが,ボラティリティはこの2つのリスクの反映に過ぎないという可能性が高まった.
著者
石部 真人 角田 康夫 坂巻 敏史
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.88-92, 2009 (Released:2011-12-03)
参考文献数
8

先進国株式市場を対象に最小分散ポートフォリオを構築し,その実現リスクが期待通りに低いこと,および時価加重ポートフォリオとの比較検証を通して,最小分散ポートフォリオが時価加重ポートフォリオよりも優れた効率性を示すことを実証する.さらに日本株のリスク分位ポートフォリオを構築し,リスクとリターンのトレードオフが成立していないことを示す.
著者
石部 真人 角田 康夫 坂巻 敏史
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学
巻号頁・発行日
vol.5, pp.256-259, 2012

日本株式市場において,個別銘柄は1~6月は上昇し7~12月は下落という明瞭な季節性を示す.この季節性とボラティリティとの関係を調べた結果,上昇期は高リスク・高リターン,下落期は高リスク・低リターンという関係が見られた.この原因として,投資家が年前半はリスク追求的になり,年後半はリスク回避的になるという様にリスク選好が季節変化している可能性が考えられる.ボラティリティの高い銘柄は相対的に低リターンというボラティリティ効果は上昇期よりも下落期の影響が大きいため発生している.投資家のリスク選好が季節変化している理由は,効果が半年間持続していることを考慮すると,冬至から夏至,夏至から冬至に至る日の長さの変化による説明に説得力があると思われる.