著者
谷岡 健吉 山崎 順一 設楽 圭一 竹歳 和久 河村 達郎 平井 忠明 高崎 幸男 雲内 高明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.1074-1083, 1990-08-20
被引用文献数
51 1

アモルファスSe(a-Se)を主成分とする光導電ターゲットを強い電界で動作させると, アバランシェ(なだれ)増倍作用により, 極めて高い感度が得られることを見出した.a-Seターゲットに240Vの電圧を印加した場合, 青色光(B光)に対する量子効率(単位入射光子数当たりの出力電子数, 以下η)が10となり, 従来の阻止型ターゲットを用いた光導電型撮像管の感度の理論限界(η=1)をはるかに上回る高い感度が得られた.このときの暗電流は0.2nAと小さかった.また, アバランシェ増倍に伴う残像, 解像度等の特性劣化は認められなかった.試作管を実装したカラーカメラでは, 被写体照度180lx, レンズ絞りF4の条件で, 従来のスタジオカメラの標準撮像時(2000lx, F4)とほぼ同等の良好な画像が得られた.
著者
瀧口 吉郎 大川 裕司 宮川 和典 小杉 美津男 鈴木 四郎 久保田 節 加藤 務 設楽 圭一 谷岡 健吉 Park Wug-Dong 小林 昭 平井 忠明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.57, pp.13-18, 1998-10-22
被引用文献数
1

高感度固体撮像素子を目指して、a-Seのアバランシェ増倍現象を利用したHARP光電変換膜とMOS型トランジスタからなる固体走査部とを多数のInの柱で接合した固体HARP撮像素子の研究が進められている。この固体撮像素子では走査回路の耐圧が60Vであることから、HARP膜の印加電圧が60V以下に、すなわち使用できる膜の厚さが制限される。そこで、この条件下においてもっとも良好な特性の得られるHARP膜の膜厚についての検討を行った。その結果、0.4μmの膜厚とすることで、印加電圧60Vにおいて目標とする4倍の増倍率を暗電流が抑制された状態で実現できることが明らかになった。また、HARP膜のさらなる感度向上を目的として、Te添加による光電変換効率の改善を検討し、シミュレーションと試作の両面からTe添加により緑色光に対する光電変換効率を従来の2倍以上に向上できることを確認した。