著者
許 蓉
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学紀要 (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.121-127, 2012-03-01

日本の文化は「恥の文化」であろうか、「菊と刀」が定義した「恥の文化」とはどのような本質を持っているか、筆者は先行研究を踏まえ、日本・西洋以外の第三の外国人の視点から日本の文化を考えてみたい。「恥の文化」は日本独特な文化で、「集団性」と「儒教的精神性」の二つの側面を持った文化である。その文化は日本の自然条件や外来文化の影響によって形成されたもので、プラスとマイナスの両面を持っており、日本の学校と日本の社会に大きな影響を及ぼしている。昨今のグローバル化時代に求められている人材は「自主行動型」である。従って、恥の文化による協調性と集団性は素晴らしいものであるが、それだけでは今の時代に生き抜いていけない、個性と自主行動性も求められている。今後、恥の文化はどのように変遷し、日本を景気低迷の中から、そして地震、津波、原発の破壊から立ち直らせていくのか、今後の研究課題にしたい。