著者
時永 祥三 譚 康融
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.267, pp.31-33, 2007-10-12

近年、提案された粒子フィルター(モンテカルロフィルター)は、航空管制や、車両追跡など、多くの分野で応用されている。その特徴としては、ノイズの分布は正規に限定されず、いろなタイプのノイズに対応できるという点である。本報告は、粒子フィルターにおいて、仮にノイズの分布が分らない場合において、遺伝的アルゴリズムを用いて、そのノイズの分布を推定する手法を提案し、特に、混合分布を用いたノイズの分布の推定の手法について報告する。
著者
時永 祥三 譚 康融
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.93, no.11, pp.739-755, 2010-11-01
参考文献数
26
被引用文献数
4

企業(エージェントと呼んでおく)間取引などを時系列として表現した場合に,時系列から相互作用を除去した本来の状態(真の状態と呼ぶ)を推定することは取引安定化などに有用である.本論文では,遺伝的プログラミング(Genetic Programming:GP)による方程式近似に基づく粒子フィルタ(Particle Filters:PF)を用いた時系列からの状態推定とその変動抑制への応用について述べる.エージェントの交互作用を非線形の状態方程式で記述し,行動結果を時系列として表現した場合には,観測データからエージェント状態(真の状態)を推定するPFが適用可能である.これまでのPFの適用においては,状態方程式が既知であるとされているが,一般的な商品市場などを仮定した場合にはエージェントの行動は未知であり,状態推定と同時に方程式の推定をしなければならない.本論文の手法においては,方程式を記述する複数の木構造(GP個体)を与えておき,これらを状態方程式とみなして,状態推定をPFにより実施した場合のゆう度を求め,これに比例して個体の適合度を定義し,遺伝的処理を行い近似と推定の改善を図る.応用例として,商品受注関係やオークション市場での価格を対象とした人工・現実データに対するシミュレーションを行い,時系列変動を抑制する方法及び取引手法を変更する効果分析を示す.