著者
松隈 洋介 高谷 真介 井上 元 峯元 雅樹 上島 直幸
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.402-408, 2006-09-20
参考文献数
8
被引用文献数
2 3

光化学スモッグや悪臭公害の主要な原因の一つになっている,低濃度溶剤をハニカム型ゼオライトを充填した回転式吸着塔を用いた,TSA方式で除去・濃縮するシステムについて最適化のためのシミュレーション計算を行った.本研究では,各パラメータが溶剤回収率,所要加熱量および濃縮倍率に及ぼす影響を検討することにより,最適条件の選定を行った.<br>この結果,53000 m<sup>3</sup> (STP)·h<sup>−1</sup>の排ガスを処理する装置の最適形状は,層高0.8 m,吸着,加熱再生およびパージ部の分割比が300°/30°/30°で,最適操作条件は,再生ガス流量15000 m<sup>3</sup> (STP)·h<sup>−1</sup>,再生ガス温度453 K,回転数14 rphであることがわかった.また,処理ガス流量が変化しても,比較的簡単な制御により,所定の性能を維持できることがわかった.<br>このような計算により,排ガス条件と目標性能に即した装置の最適設計を行うことが可能であることがわかった.