著者
松隈 洋介 濱口 涼吉 峯元 雅樹
出版者
日本混相流学会
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.398-406, 2022-12-15 (Released:2023-01-13)
参考文献数
4

A system for recovery of methane hydrate from the deep ocean floor has not been established. As one possible recovery system, a gas-lift system was investigated. Experiments were performed with a gas-lift system of 5 m height and 100 mm in diameter to determine the relationship between injected gas quantity and pumped water quantity. Vertical flow in the gas-lift pipe was calculated with a compressible one-dimensional two-fluid model to analyze flow in the recovery pipe of methane hydrate from the deep ocean floor. Basic equations were mass conservation equations and momentum conservation equations of each phase, the relation of volume fractions and the state equation of the gas phase. The calculation showed that optimal gas injection depths exist. Thus, the gas-lift system can be economically effective the recovery of methane hydrate from the deep ocean floor.
著者
松隈 洋介 高谷 真介 井上 元 峯元 雅樹 上島 直幸
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.402-408, 2006-09-20
参考文献数
8
被引用文献数
2 3

光化学スモッグや悪臭公害の主要な原因の一つになっている,低濃度溶剤をハニカム型ゼオライトを充填した回転式吸着塔を用いた,TSA方式で除去・濃縮するシステムについて最適化のためのシミュレーション計算を行った.本研究では,各パラメータが溶剤回収率,所要加熱量および濃縮倍率に及ぼす影響を検討することにより,最適条件の選定を行った.<br>この結果,53000 m<sup>3</sup> (STP)·h<sup>−1</sup>の排ガスを処理する装置の最適形状は,層高0.8 m,吸着,加熱再生およびパージ部の分割比が300°/30°/30°で,最適操作条件は,再生ガス流量15000 m<sup>3</sup> (STP)·h<sup>−1</sup>,再生ガス温度453 K,回転数14 rphであることがわかった.また,処理ガス流量が変化しても,比較的簡単な制御により,所定の性能を維持できることがわかった.<br>このような計算により,排ガス条件と目標性能に即した装置の最適設計を行うことが可能であることがわかった.
著者
松隈 洋介 定形 薫 垣上 英正 井上 元 峯元 雅樹 安武 昭典 岡 伸樹
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.146-152, 2006 (Released:2006-04-20)
参考文献数
7
被引用文献数
6 16

地球温暖化の主要な原因の一つになっている,火力発電所からの排ガスに含有されるCO2を,ハニカム型ゼオライトを充填した回転式吸着塔を用いたTSA方式で除去・濃縮するシステムについて最適化のためのシミュレーション計算を行った.本研究では,各パラメータがCO2回収率と所要加熱量に及ぼす影響を検討することにより,最適条件の選定を行った.この結果,14000 m3 (STP)·h−1の排ガスを処理する装置として,直径14.5 m,層高0.5 mのロータ回転型吸着層を用いると,最適操作条件として,加熱再生ガス温度:423 K,再生ガス流量:80000 m3 (STP)·h−1,回転数:3–4 rphが得られた.なお,若干性能は低下するが,上記仕様の装置で70000 m3 (STP)·h−1の排ガス処理も可能であることがわかった.また,本システムにより排ガス中のCO2濃度(13.5%程度)を1回の操作で90%以上にまで濃縮できることがわかった.さらに,これらの結果に基づいて,処理ガス流量が180万m3 (STP)·h−1の時の実機の装置イメージを提案した.この場合の吸着層寸法は,直径14.5 m,層高0.5 mを26段たてに積重ねる構造とすると,全塔高は26 m程度と予想される.
著者
松隈 洋介 松下 雄一 垣上 英正 井上 元 峯元 雅樹 安武 昭典 岡 伸樹
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.138-145, 2006 (Released:2006-04-20)
参考文献数
12
被引用文献数
7 11

地球温暖化の主要な原因の一つになっている,火力発電所からの排ガスに含有されるCO2をハニカム型ゼオライトを充填した回転式吸着塔を用いた,TSA方式で除去・濃縮するための基礎試験,パイロット試験およびシステム最適化のため吸脱着挙動のシミュレーション計算を行った.この結果,CO2の平衡吸着量は濃度と温度の関数としたLangmuir型で,また気–固間の物質移動と熱移動のJ因子はいずれもRe数の関数として一つの式で表示できることがわかった.次いで,実機を模擬した,内径460 mm,充填層高480 mmのパイロット試験により,CO2の回収率は80%以上可能であることを確認した.さらに,物質移動や熱移動などを考慮した回転式吸脱着装置のシミュレーション計算を実施した.まず,基礎試験結果およびパイロット試験結果とシミュレーション計算結果を比較することにより計算の妥当性を確認した.次いで,吸着,加熱再生,パージおよび冷却の各工程におけるCO2の吸脱着挙動を把握し,システム最適化への指針を得た.