著者
谷内出(野口) 友美 橋本 祐一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.213-218, 2017-11-01 (Released:2019-12-01)
参考文献数
10

ヒストンのアセチル化修飾は重要なエピジェネティクス調節機構の1つである。ブロモドメインは、ヒストンのアセチル化リシンを認識するreaderであり、転写やクロマチンリモデリングなどのDNA依存的な細胞プロセスを制御する。ブロモドメインを対象としたエピジェネティック研究の多くは、BETファミリータンパク質を標的としており、その阻害剤は抗がん剤として臨床試験段階にある。筆者らは、BET阻害剤のファーマコフォア検証やアカデミアとしてのポリファーマコロジー活性化合物創製研究として、新規BET阻害剤およびBET/HDAC二重阻害剤を創製している。本稿ではBETブロモドメインの医薬標的としての魅力や最新の阻害剤の開発状況などを紹介する。