著者
前田 昌純 中元 賢武 中村 憲二 南城 悟 太田 三徳 谷口 清英 坪田 典之 多田 弘人 成毛 韶夫
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.350-358, 1988

1, 562例の気管・気管支形成例の術型について分析, 追補した。術型数は, 1, 569手術例に57, 施行されていた。12の基幹術式のなかで, BBが974手術(62.1%)と最も多く, 続いてTTの282手術(18.0%), TBの92 (5.9%)の順位となる。Tp18手術(1.1%), CRは32手術(2.0%)施行されていた。CR, TB, BB術式は, 各々10, 10, 28のsub type術型にわかれる。手術数の上位3位を示すと, CRでは_<TI>__-CR, _<MM>__-CR_<TM>, ^^<CR>T-IM, TBでは左右のSP, 左右のWPと_<TI>SL, BBでは左右の上葉スリーブ(_<MI>SL SL_<ML>), 左右上葉のWL, 左右のMU吻合術型となる。術型別の合併症では, Tpの77.8%, TMTの40.0%, Teの37.9%, CRの34.4%が目立つ。7気管軟骨輪以下切除のTT, BBのうち_<MI>SL, SL_<ML>, _<MI>WL, WL_<ML>を標準術型とした。合併症頻度は, 各々, 20.3%と12.1%であった。
著者
谷口 清英 坪田 典之 川口 仁 林 栄一 中元 賢武 前田 昌純
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.1071-1076, 1991-12-20

症例は74歳男性.1期肺腺癌術後肝転移に対し,rhG-CSF併用chemotherapy(MVP療法:CDDP80mg/m^2,VDS3mg/m^2,MMC8mg/m^2,2週間隔,5クール)で画像上PR(PertialResponse)を得た.化療中のCEA値を経時的に測定した結果,腫瘍体積と有意の相関をみた.画像上PRであったがCEA値は完全に正常化した.このことは,縮小した塊状影が腫瘍の壊死組織である可能性を示している.本症例の血清CEA値は,予後判定のうえで再発の指標となり,抗腫瘍効果のマーカーとして鋭敏に反応した.血清CEA値は画像診断の限界を補う新たな化療効果判定方法になりうることが示唆された.