著者
原田 晋 森山 達哉 谷口 雅輝 森岡 芳雄
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1283-1288, 2017-07-01

64歳,女性。健康食品として春ウコン粉末を初めて服用した直後よりアナフィラキシー症状が出現。プリックテストで秋ウコンのターメリックは陰性であったが,春ウコンが陽性であったことより,春ウコンアレルギーと診断した。ウコンアレルギーの既報告は接触皮膚炎や多発性固定薬疹など遅延型アレルギーの機序に基づく症例が大部分で,即時型アレルギーの既報告は接触蕁麻疹症例のみであり,自験例はウコン摂取によりアナフィラキシーをきたした世界初の報告と考えた。また,既報告では同定し得た症例のほぼ全例で,秋ウコン中の主成分であるクルクミンが原因抗原であったが,自験例ではクルクミン以外の抗原が原因抗原である可能性が考えられた。
著者
平林 邦昭 内田 学 山口 拓也 吉川 健治 西岡 宏彰 谷口 雅輝 木村 太栄 木野 茂生 中林 洋
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.1645-1649, 2001-11-01
被引用文献数
8

患者は70歳の女性で, 6か月前に下血と意識消失発作で入院歴がある.そのときは胃・大腸内視鏡, 出血シンチグラフィーで異常を認めず軽快退院している.今回同様の症状で再入院し, 出血シンチングラフィーと腹部アンギオグラフィーで空腸動静脈奇形(arteriovenous malformation;以下, AVMと略記)と診断した.術中の病変部位の同定に難渋すると考え, 術直前に腹部アンギオグラフィーを施行し病変近傍にマイクロカテーテルを留置し開腹手術を行った.予想どおり術中の触診, 視診では病変は全く不明であり, 留置しておいたカテーテルの触診を頼りに病変のおよその部位を判断しサブライトを透光することで病変を肉眼でとらえることができた.切除標本の血管造影と特徴的な病理所見よりAVMと確定診断をくだした.