著者
加納 由貴 淺井 哲 松尾 健司 竹下 宏太郎 一ノ名 巧 赤峰 瑛介 藤本 直己 山口 拓也 城田 哲哉
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.727-731, 2018-05-31 (Released:2019-12-07)
参考文献数
18

症例は92歳の女性。Press through package(以下,PTP)を誤飲しその後呼吸苦・胸痛が出現し当院へ救急搬送された。胸腹部CTで食道・胃内に7個のPTPを認め緊急内視鏡的異物摘出術を施行した。内視鏡を挿入すると実際には食道・胃内にそれぞれ4つ合計8つPTP異物を確認し,摘出した。翌日胸腹部CT・上部消化管内視鏡検査でPTPが小腸・大腸含め消化管内に残存していないことを確認した。PTP誤飲は消化管穿孔を起こす危険があり緊急内視鏡的異物摘出術の適応となる救急疾患である。今回われわれは1つの症例で8個のPTPを誤飲した希少な症例を経験した。実際には胸腹部CTで想定された数よりも多くのPTPが摘出されており,PTP誤飲ではCTでは検出されないPTPの存在を念頭に置いて処置および経過観察をする必要があると考えられた。
著者
秋山 翔 加藤 拓貴 山口 拓也 平岡 隆晴 豊嶋 久道
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.297-298, 2016-03-10

金融市場における取引システムには、パラメータを含む多くのテクニカル指標が利用されている。取引システムを最適化する場合、最適解が評価期間でしか有効でないオーバーフィッティングという問題がある。この問題の理由の一つとして、テクニカル指標の各パラメータが評価期間を通して固定されてしまうことが挙げられる。 本研究では、テクニカル指標のパラメータが時間により可変な取引システムを提案する。提案する取引システムを最適化することによって、パラメータが特定の値に過度に依存しない解を求めることが可能となる。この特性がオーバーフィッティングの問題の解決に役立つと期待される。
著者
吉川 健治 外山 和隆 戸口 啓介 山口 拓也 平林 邦昭
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.713-716, 2011-07-31 (Released:2011-09-14)
参考文献数
14
被引用文献数
1

絞扼性イレウスでは,高率に腹水が出現する。今回,絞扼性イレウスにおける腹水が腸管虚血がどの程度進行した段階で生じるのかを明らかにする。対象と方法:緊急開腹手術が施行された絞扼性イレウス20例を6例の壊死群,14例の非壊死群に分け,以下の項目を比較検討した。1.両群の初診時の腹水の出現率 2.SIRS陽性率 3.血液生化学的検査値(CRP,PK,LDH)異常の出現率。結果:SIRS陽性率,血液生化学的検査値の異常値出現率のいずれも壊死群,非壊死群で有意差は認めなかった。SIRS陽性率は壊死群33% 非壊死例21%であった。一方,腹水出現率は壊死群100%,非壊死群で86%であった。結語:絞扼性イレウスにおける腹水の出現は,腸管壊死前でさらにSIRS項目,血液生化学的異常値が出現する以前に出現すると考えられる。
著者
松井 龍吉 小林 祥泰 山口 拓也 長井 篤 山口 修平
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.565-569, 2011 (Released:2011-10-21)
参考文献数
7

多系統萎縮症とは以前よりオリーブ橋小脳萎縮症(OPCA),線状体黒質変性症(SND),Shy-Drager(SDS)と呼ばれてきた3疾患を包括した病理学的疾患概念の総称である。今回我々は本疾患患者に対し,八味地黄丸を投与したところ,起立時の血圧変動に著明な改善を認めた症例を経験したので報告する。症例は79歳男性。緩徐進行性に動作緩慢,すくみ足,手指振戦を認め,その後立ちくらみ症状が出現。起立性低血圧が見られ各種薬剤の投与を行うが効果は不十分であった。このため八味地黄丸を追加投与したところ,体位変換時の血圧変動が小さくなり,さらに諸症状の改善も認めた。八味地黄丸は自律神経機能の改善に効果を示す方剤とされており,本症例においても多系統萎縮症に伴う起立性低血圧の改善に寄与したと考えられた。
著者
平林 邦昭 戸口 景介 吉川 健治 山口 拓也 硲野 孝治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.3330-3333, 2009 (Released:2010-04-05)
参考文献数
12

症例は76歳,男性.盲腸癌に対する右半結腸切除術の3カ月後に腹痛発作で入院した.腹部単純X線,腹部CT検査,腹部エコー検査で,腹腔内に線状金属陰影を認めた.腹部症状が悪化し,X線下に開腹手術を施行したところ,小腸を突き破る長さ7cmの金属片を確認した.摘出した金属片をただちに調査し金属スタイレットの先端部分であると断定した.先の手術の麻酔導入時に食道挿管されており,その時に金属疲労した先端部分が折損し食道内に進んだものと推察された.術後経過は順調で術後10日目に退院した.現在術後3年半が経過したが,合併症なく外来通院中である.
著者
平林 邦昭 内田 学 山口 拓也 吉川 健治 西岡 宏彰 谷口 雅輝 木村 太栄 木野 茂生 中林 洋
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.1645-1649, 2001-11-01
被引用文献数
8

患者は70歳の女性で, 6か月前に下血と意識消失発作で入院歴がある.そのときは胃・大腸内視鏡, 出血シンチグラフィーで異常を認めず軽快退院している.今回同様の症状で再入院し, 出血シンチングラフィーと腹部アンギオグラフィーで空腸動静脈奇形(arteriovenous malformation;以下, AVMと略記)と診断した.術中の病変部位の同定に難渋すると考え, 術直前に腹部アンギオグラフィーを施行し病変近傍にマイクロカテーテルを留置し開腹手術を行った.予想どおり術中の触診, 視診では病変は全く不明であり, 留置しておいたカテーテルの触診を頼りに病変のおよその部位を判断しサブライトを透光することで病変を肉眼でとらえることができた.切除標本の血管造影と特徴的な病理所見よりAVMと確定診断をくだした.