著者
谷野 祐子 小野 恵美 朝比奈 七緒 大塚 志乃ぶ 森谷 美智子 藤井 美穂子 松井 典子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Japanese Lournal of Maternal Health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.90-96, 2007-04-01
参考文献数
17
被引用文献数
1

父親対象の産前産後の育児指導受講の有無が,1ヵ月後の育児参加に与える影響を明らかにするために,児の1ヵ月健康診査で来院した父親99名を対象に無記名式質問紙調査を行った。その結果64名から有効回答が得られ,産前・産後の育児指導の受講状況別に比較検討したところ,次の結果が得られた。1.産前に育児指導を受講した父親35名のうち,産後指導を受講した父親21名(60.0%)であった。また,産後指導の受講の有無にかかわらず,父親の育児態度は高かった。しかし,産後指導を受講した父親のほうが育児技術を実施していた。2.産前の育児指導を受講しなかった父親29名のうち,産後指導を受講した父親は8名(27.6%)であった。また,産後指導の受講の有無と,父親の育児態度や育児技術実施状況に関連はみられなかった。以上より,父親の育児参加を高めるためには,産後の育児指導を受講するだけでは効果が不十分であり,産前からの継続的な受講が有効であることが示唆された。