著者
福田 里香 出口 純子 井元 淳 豊永 敏宏 岩本 幸英
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.167-175, 2019-12-01 (Released:2020-02-06)
参考文献数
31

【目的】男性単身世帯者が簡便に実施できる「野菜摂取量増加」と「食事量を腹八分目にする」に重点をおいた介入プログラムを作成・実践し,野菜摂取量や体組成に変化があるか否か検証した。【方法】研究デザインは,単群の前後比較試験とした。2企業で働く単身世帯の健常男性16名(42.4±5.4歳)を対象とした。介入期間は12週間で,初回に前述2項目を実施するための行動目標を対象者が設定し,行動目標実行度を10段階評価で4回聴取した。それぞれの企業の会議室にて,各企業4,5人のグループで30分程度の調理実演を2回実施した。評価項目として食事調査は半定量食事摂取頻度調査を用いてエネルギーおよび食品群別摂取量(1,000 kcalあたりで表示)を算出した。また身体活動量,体組成,内臓脂肪面積および皮下脂肪面積の測定を行なった。各項目について介入前後で比較検討を行なった。【結果】行動目標実行度は,「今よりも野菜の摂取量を増やす」では上昇傾向に,「食事量を腹八分目にする」では下降傾向であった。介入前後でエネルギー摂取量に有意な差は認められなかったが,緑黄色野菜とその他の野菜の摂取量は有意に増加した。また,体脂肪率は減少傾向にあり,骨格筋率,上腕筋肉率,体幹筋肉率が有意に増加した。【結論】対象者が自ら決定した行動目標実行度の聴取や手軽で簡単な調理を実演することで行動変容が促され,野菜摂取量は増加し,体組成に変化がもたらされた。
著者
豊永 敏宏
出版者
Japanese Society of Prosthetics and Orthotics
雑誌
日本義肢装具学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Prosthetic and Orthotic Education, Research and Development (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.22-27, 2000-01-01

労働者災害補償保険法 (労災保険) による補装具支給の手続きは, 他の支給体制と比較して少し異なった部分がある. すなわち支給対象者が業務上や通勤災害の被災労働者であり, 義肢の支給にたとえれば, 仮義肢は療養中に訓練用義肢 (装具は治療材料) として保険給付で支給され, 本義肢は創治癒の後障害認定を受けてから, 社会復帰援護事業の一環として労働福祉事業から支給 (出資は労災保険) される. さらに外科後処置という独自の制度があり, 本義肢装着後, 断端に問題が生ずれば労災保険適用で治療が行えるものである. しかしながら採型指導医の処方による義肢等の支給が, 労働基準監督官の検収制度で行われており, この時十分適合しているか否かをもっと検討すべきであり今後の課題と思う.