著者
貴堂 靖昭
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.29-32, 1997

雪国の人々は,積雪によって多くの災害を被っている.その一つとして,降雪地帯の雪崩の発生は,樹木のとう折や家屋の倒壊を引き起こすばかりでなく,人命をも奪い,その惨禍はすさまじいものである.雪崩の要因はいくつか挙げられるが,特に積雪の内部構造の変化に強く依存していることが知られている.<br> したがって,積雪層の変化(積雪の変成遇程)を明らかにすることによって,災害の来然の防止と人命救助の技衛的向上が期待できる.<br> 本稿は,まず積雪層構造を解析するために,積雪モデルを示し,次に積雪層の物性パラメーターを知るために単一モードファイバー出力光の偏波変動を利用した新しい測定法について紹介した.