著者
山口 三十四 貴戸 崇能
出版者
尾道大学
雑誌
尾道大学経済情報論集 (ISSN:13469991)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.81-104, 2008-06

これまでの東京重視、地方軽視の政策により、地方の疲弊が急進し、眼界集落がうなぎのぼりに増加している。その意味で、地域振興を担う地銀は非常に重要な役割を担っている。本稿ではこの点を考慮し、その計量的分析を行っている。すなわち、地方銀行の収益強化対策についての計量的研究が行われている。そして、歴史、モデル作成、二段階最小二乗法、推定、政策的インプリケーションとして論文を構成している。周知のように、地方銀行は地域密着型経営の推進に欠かせない存在である。しかし、自己資本比率と中小企業への積極的な貸出とはトレードオフ関係にあり、地方銀行は中小企業への積極的な貸出と自己資本比率の維持を両立しなければならないという困難がある。そのため、次の3つの提案、高い付加価値を持った金融サービスの提供に力を入れ、低付加価値事業の効率化を行い、強力なリスク管理を行うという3方向で、収益力向上を図らねばならないことがわかった。