著者
村田 典子 市石 慶子 江崎 順子 坂田 貴彦 中島 一郎 赤坂 守人
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.505-509, 1997-06-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
15

本研究の目的は,夜間睡眠時における筋活動の評価に機能的に異なった複数の筋の筋電図記録を行う意義を明らかにすることである.そこで我々は,夜間睡眠時における側頭筋と咬筋の筋活動発現時間および筋活動比において検討を行った.被験者は健康成人5名とした.夜間睡眠時の筋電図記録は,簡易型筋電計を用い側頭筋および咬筋から記録を行った.そして,夜間睡眠時における筋活動発現時間および咬筋・側頭筋比を検討した.その結果,夜間睡眠時における筋活動発現時間において,側頭筋活動が長い時間を示す者は3名,咬筋活動が長い時間を示す者は2名であった.咬筋・側頭筋比は側頭筋優位な者が3名,咬筋優位な者が2名であった.このことから,夜間睡眠中の筋活動は,側頭筋を主体とした筋活動を示す場合と咬筋を主体とした筋活動を示す場合があることがわかった.以上のことから,夜間睡眠時の咀嚼筋活動を記録し検討するには,複数の筋から筋電図記録を行う必要があり,その結果,筋活動の相違が認められることが示唆された.
著者
柳沢 幸江 田村 厚子 寺元 芳子 赤坂 守人
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.74-84, 1989-03-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
32
被引用文献数
10

様々な咀嚼機能を持った個々の人間にとって,より好ましい食物物性の在り方を探るために,物性と嚼咀の相互関係を捉えてきた。本研究は咀嚼筋活動量による食物分類を作ることを目的に,まずテクスチュロメーターにより測定した食物物性から咀嚼筋活動量を推定する方法を検討した。咀嚼筋活動量は筋電図による咀嚼筋の活動量から求めた。被検者は正常咬合者である成人男女各10名ずつで,咀嚼開始から嚥下開始までの咀嚼筋活動量を左右の閉口筋3筋について計測した。回帰分析を用いて食物物性値と咀嚼筋活動量の対応性を分析し,その結果をもとに咀嚼筋活動量による食物分類を行った。得られた結果を以下に示す。1)3種のテクスチャーパラメーター即ちかたさ・凝集性・ひずみを用いることによって,高い精度で咀嚼筋活動量を推定することができた。2)テクスチャー測定値を用いた推定方法から,食物物性が既知である144種の食物の咀嚼筋活動量を明らかにした。3)食物を咀嚼筋活動量のレベルにより10ランクに分類することができた。また,「物性による食物分類」に咀嚼筋活動量の尺度を加えることができた。

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著者
赤坂守人[ほか]著
出版者
医歯薬出版
巻号頁・発行日
1994