著者
森下 敬一 越智 久男
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.588-600, 2003-11-01 (Released:2011-03-18)

・1975以降、森下世界的長寿郷調査団は、毎年2~3回の頻度で「世界三大長寿郷 (コーカサス、フンザ及び南米・ビルカバンバ) 」の実地調査を実施してきた。・1984年-新彊ウイグル特に南彊が「第四の世界的長寿郷」であることを認定した。・1987年-コーカサス、中央アジア、パミール高原周辺 (フンザを含む) 及び南彊の北緯40度前後、東西8000kmに及ぶベルト地帯を「絲綱之路・長寿郷」と命名し、第16回・自然医学・国際シンポジウムに於いて研究発表を行った。・1991年-広西壮族自治区・巴馬の実地調査を試み、是が「第五の世界的長寿郷」である事を認定した。世界の百歳長寿者達は、シルクロード沿いのベルト状地帯に多く存在し、幾つかの共通項があることが判明した。主食が挽きぐるみの未精白穀物であり、竈に貼り付けて焼くこと。生まれた土地を離れず、その土地で収穫できる作物を食していること。文明の侵襲を受けていない長寿郷では、土壌→食物→身体の生命エネルギーが循環していた。