- 著者
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渕上 健
松尾 篤
越本 浩章
河口 紗織
北裏 真己
松井 有史
森岡 周
- 出版者
- 理学療法科学学会
- 雑誌
- 理学療法科学 (ISSN:13411667)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.2, pp.251-256, 2015 (Released:2015-06-24)
- 参考文献数
- 27
- 被引用文献数
-
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〔目的〕慢性期脳卒中片麻痺患者の下肢機能に対する運動観察治療の効果を検証すること.〔対象〕慢性期脳卒中片麻痺患者21名とした.〔方法〕参加者を運動観察治療群と対照群に分けた.運動観察治療群は他者が前方またぎおよび側方またぎ動作を施行している映像を各5分間観察した後,同様の身体練習を各5分間実施した.対照群はまたぎ動作の身体練習のみを行った.アウトカムは前方および側方またぎ動作の成功回数,functional reach test,four square step testとし,介入前後および介入1ヵ月後に抽出した.〔結果〕群間比較において,functional reach testに交互作用が認められた.また,運動観察治療群において,前方またぎ動作の成功回数,functional reach test,four square step testが有意に向上し,介入1ヵ月後まで持続した.また,効果量についてすべての項目で運動観察治療群が対照群を上回っていた.〔結語〕慢性期脳卒中片麻痺患者に対する運動観察治療は,身体練習のみに比較して下肢パフォーマンスを有意に改善させる.