著者
足立 聡
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.91, no.8, pp.525-528, 2015-08-25

ドイツとロシアが開発し,国際宇宙ステーション(ISS)に搭載したダストプラズマ実験装置PK-3 Plusによる微小重力実験は,2006年1月から2013年6月まで実施された.宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,ダストプラズマを使った荷電粒子系の臨界現象に関する研究をPK-3 Plusを用いて実施するべく,日本人研究者の国際研究チームへの参加および研究遂行を支援した.支援開始に先立ち,宇宙環境利用科学委員会において科学評価を実施した.支援はISS科学プロジェクト室のミッションとして実施された.臨界現象に関するモデルに基づいてPK-3 Plusの運転条件を決定し,微小重力実験を国際研究チームとして実施した.なお,微小重力実験は費用がかかり,かつ機会が限られている.そのため,宇宙環境を利用した実験を計画したい方々に向けての手引きを最後に述べる.
著者
足立 聡 高柳 昌弘 依田 眞一
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.130-133, 2007-02-25

プラズマプロセス関連の微小重力実験は,著者らが知る限りでは,我が国のSpace Flyer Unitで実施されたプラズマCVDの実験が唯一の実施例である.また現時点において,プラズマプロセス関連の微小重力実験は日本および海外において計画されていない.その一方,プラズマの基礎的な微小重力実験は,ドイツが中心となり積極的に進められている.ここでは,まずドイツの微粒子プラズマ実験の状況について説明し,次に日本の現状および将来計画について説明し,最後に微小重力実験を目指した宇宙航空研究開発機構におけるプラズマ研究の現状を説明する.