著者
久永 晃資 岩田 剛敏 池内 隆 五十嵐 章紀 足立 邦明 林谷 秀樹
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.54-57, 2004-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
9

生活空間を共有する人と犬が快適に生活するために, どのくらいの頻度で犬を洗浄したらよいかを検討するために, 犬の被毛の脂質の成分や量を調べるとともに, これらが洗浄前後でどのように変化するかを経時的に観察した. その結果, 犬被毛の脂質は脂肪酸, コレステロールおよびステロールエステル, ワックスエステル, グリセロールエステルなどのエステル類で構成されており, 特にエステル類は脂質の80%以上を占めていた. また, 犬被毛の脂質量は洗浄直後に洗浄前の約60%にまで減少したが, 72時間後には洗浄前のレベルまで回復した. そして, 洗浄後72時間が過ぎる頃から動物臭が感じられるようになった. これらの結果から, 衛生的な観点からみると, 室内犬の洗浄は3~4日に1回くらいの割合で行うことが適当と考えられる.