著者
輕部 大
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.95-113, 2001-12-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
35

本稿は,HPC産業において,日米企業が顕著に異なる性能向上アプローチを選択し,それぞれ独自の性能進化を実現したという事実を明らかにする.その上で,個別企業の資源プロフィールと競争環境とが時間展開的に相互規定関係にあるという点に注目することによって,発見事実の説明を試みる.新規参入を契機とした競争環境の変化によって,個別企業レベルでは既存企業が既存の資源蓄積をベースにした新たな技術的可能性の探索行動とその実現に注力しなくなるため,産業レベルでは既存の資源蓄積に基づく性能進化の可能性が閉ざされることが起きうる,というのが最終的な主張である.
著者
輕部 大
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.85-98, 1997 (Released:2022-07-22)
被引用文献数
1

半導体プロセス技術における日米の支配的な企業戦略の違いに注目して,両国の資源投入パターンの違いを明らかにする.その上で,資源投入パターンの相違が生み出される原因を,外部事業化の可能性の違いという経済制度的要因に求め,その要因が企業戦略に与える影響を考察する.最後に,外部事業化の可能性が高い米国型システム下では,資源投入の2極分化が起きやすくなる,という論理的な可能性を仮説として提示する.