著者
辻 泰明
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.38-43, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)

インターネット動画が興隆し,テレビに代わって映像メディアの首座に就きつつある。動画が有する特性の根幹は双方向性にある。この特性は,個人による全世界への映像コンテンツ発信を可能にし,ビデオブログ,ゲーム実況など,新たなジャンルを産み出した。また,映像による日常のコミュニケーションが促進される一方,決定的瞬間をとらえた動画が容易に拡散されるようになり,社会にさまざまな影響を与えている。動画は,送り手にとっても受け手の情報を得られるという利点をもたらす。視聴者データの分析による内容の改善,役割に応じたコンテンツの作り分けと配置などといった編成の工夫により,動画の特性を十全に発揮した活用が可能である。