著者
呑海 沙織 溝上 智惠子
巻号頁・発行日
2011-04-28 (Released:2011-08-05)

本研究は,ラーニング・コモンズを真の学びの場とするために,学習支援空間における学生アシスタントの意義を明らかにし,その育成プログラム・モデルを構築することを目的とする。今年度については,以下を実施した。1. 学生アシスタントへの業務や意義に関するインタビュー調査これまで,学習支援空間を提供し,学生アシスタントを雇用する側である大学図書館におけるフィールドワーク(オペレーション状況の確認,オブザベーション,レファレンス・クエスチョンの分析など)や大学図書館員を対象とする学生アシスタント活用の実際や学生アシスタントの意義に関するインタビュー調査および,学習支援空間の実態に関する質問紙調査を行った。しかし,その意義を明らかにするためには学生アシスタントへの調査が不可欠であるという結論に至ったため,本年度については,学生アシスタントへの業務や意義に関するインタビュー調査を中心に行うとともに,その分析を行った。2.研究成果のまとめこれまで行った調査やその分析および考察について,研究成果のまとめを発表すべく,準備を進めているところである。研究成果の公開は,印刷物として作成し,大学図書館等関係各所への配布を行うとともに,ウェブページを作成し公開する予定である。また現在,学生アシスタントの意義を含むラーニング・コモンズなど,利用者とともにつくる学習支援空間に関する書籍を執筆中である。
著者
呑海 沙織
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.60-64, 2009-02-01
被引用文献数
1

本稿は,図書館コミュニティにおける自発的キャリア形成の特徴について論考するものである。図書館コミュニティにおける自発的キャリア形成の実際の場として,全国の国公私立大学図書館員を中心とする自主的・実践的な研究団体である大学図書館問題研究会をとりあげ,その概要,運営方針,設置背景,主要な活動について概観する。また,図書館コミュニティにおけるキャリア形成の特徴について,1)自己啓発,2)コミュニティの維持・発展,3)継続的なキャリア形成,をあげ,それぞれについて論じる。
著者
溝上 智惠子 清水 一彦 歳森 敦 池内 淳 石井 啓豊 逸村 裕 植松 貞夫 宇陀 則彦 永田 治樹 長谷川 秀彦 石井 夏生利 呑海 沙織 孫 誌衒 松林 麻実子 原 淳之 井上 拓 佐藤 翔
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究は、大学教育の実質化を進展させるための学習支援サービスの1つとして、大学生の主体的学習を促進させる実空間「ラーニング・コモンズ」 (Learning Commons)に着目し、その現状と課題を明らかにした。1990 年代に、北米地域から導入・整備が始まったラーニング・コモンズは、現在各国の高等教育改革や大学図書館の状況を反映して、多様な形態で展開しつつあること、学習成果の視点からの評価はいずれの国でもまだ不十分な段階にあることが明らかになった。
著者
呑海 沙織
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-16, 2010-03-31

本研究は,大正7年(1918)の大学令下における私立大学設置に際して大学図書館に求められた要件について考察を行い,大正期の私立大学図書館の実態を明らかにするとともに,大学令が私立大学図書館に与えた影響についても考察を行うものである。私立大学図書館に関する認可要件は,「大学設置認可規定(秘)」によって規定されているが,本研究によって私立大学の多くは設置認可時にこの要件を充たしていなかったことが明らかになった。一方,大学令は私立大学図書館の礎を築くとともに,大学図書館の必要性を浸透させる役割を果たしたといえる。
著者
呑海 沙織 溝上 智恵子
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.2-15, 2011-05-01

大学図書館における学習支援空間に着目し,主として北米で発展した学習図書館からインフォメーション・コモンズ,ラーニング・コモンズまでの学習支援空間の変遷について考察を行った。学習図書館は,学部学生数の急速な増加等を背景に,1950年代より北米で発達した学部学生用図書館であるが財政難を理由に,1970年代半ばをピークに衰退していった。インフォメーション・コモンズは,情報通信技術の急速な発達を背景として1990年代以降普及し,その後,学習支援サービスをワンストップで提供するラーニング・コモンズへと変容しつつある。
著者
呑海 沙織
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.176-185, 2006-09-01

JISC(Joint Information Systems Committee)は,高等教育における学術情報基盤として1993年に設立された機関である。しかし,英国の教育・職業訓練政策のもと,1999年にJISCの対象は,継続教育まで拡大されることとなる。本稿では,これをJISCの「学術情報基盤」から「知識情報基盤」への転換と捉え,その過程の分析を行う。また,2000年の『JISC再考(A Review of the Joint Information Systems Committee ; JISC)』及び,2005の『高等教育及び継続教育におけるJISCの有用性(The Value of the Joint Information Systems Committee to higher education and further education : Back-ground Paper)』を中心に,知識情報基盤としてのJISCの社会的意義について考察する。