著者
辻 美咲 荒井 隆行 安 啓一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.179-183, 2013-04-01
参考文献数
13

残響時間が長い環境では,情報伝達が困難となることがある。そのため,残響による影響を軽減させ,正しく情報伝達することが求められている。本研究は,残響下での聴き取りを改善するため,子音強調及び母音抑圧を施す前処理手法を提案する。処理音声に残響を畳み込んだ刺激を用いて単語了解度試験を行い,処理の効果を検討した。その結果,各子音部の最大振幅を1.0とし,各母音部の最大振幅を0.4〜1.0とした場合に関しては有意差はなかった。一方,各母音部の最大振幅を0.2とした場合に関しては有意に了解度が低下した。