著者
高田 恵子 森 淑江 辻村 弘美 宮越 幸代 栗原 千絵子 長嶺 めぐみ
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.31-40, 2010-02-01 (Released:2010-03-17)
参考文献数
11

【目 的】 国際看護協力を行う際の問題点の一つとして, 派遣された国における看護に関する考え方や看護技術の日本との違いが挙げられる. 開発途上国に対する効果的な看護協力のために, ラオスで活動した青年海外協力隊看護職隊員の面接調査と活動報告書を分析し, 看護の差異を明らかにすることを目的とする. 【方 法】 看護職隊員14名の活動報告書, 5名の隊員に面接調査を実施し, 作成された逐語録から日本と異なる看護に関する記述を抽出し,「看護技術/助産技術到達目標」(厚生労働省2003) を参考に分類した. 【結 果】 日本と異なる看護の記述は「感染予防の技術」,「症状・生態機能管理技術」,「与薬の技術」に関する内容が多く, 患者の身の回りの世話は家族が行っていた. 助産技術は分娩期, 妊娠期についての記述が多かった. 【結 語】 ラオスと日本の看護の違いが明確化された. それらは, 今後の国際看護協力活動において多大に寄与するものと考える.
著者
辻村 弘美
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.129-136, 2006-05-01

【目的】中国で整体看護普及のために看護過程学習会を開催し,その理解度や関心度などを検討した.【方法】河北省唐山市の病院で働く,臨床経験5年以上の看護師23名を対象に,質問紙調査を行った.【結果】講義内容の項目の中で最も理解度が高かったのは,「看護過程の5段階」で23名中18名(78.3%)であり,「臨床で活用できる」と回答したのは16名(69.6%)であった.「看護診断」と「情報関連図」に関しては最も理解度が低かった.また,「臨床で看護過程を用いることの利点」に関しては16名(69.6%)が良く理解できたと回答しているものの,「臨床で活用できる」と回答したのは5名(21.7%)だけであった.【結語】看護過程の概論的なことは理解できていても,実際に看護過程を事例に展開することは困難である.
著者
辻村 弘美 森 淑江 高田 恵子 宮越 幸代
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.51-58, 2009-02-01 (Released:2009-03-13)
参考文献数
13

【背景・目的】 看護は各国の様々な背景や状態により異なると考えられる. 中国で活動した青年海外協力隊員の面接調査と国際協力機構への報告書を分析し, その差異を明らかにすることで, 国際看護協力における示唆を得る. 【対象と方法】 看護師隊員4名の報告書計20冊と本人への面接結果を対象とし, 日本の看護と異なる点を抽出した. 【結 果】 「臨地実習において学生が行う基本的な看護技術」の80項目中, 日本と異なる看護に関する記述は41項目で, 対象者全員が差異があると述べた看護は, 「創傷管理技術」, 「与薬の技術」, 「身の回りの援助は家族が行う」, 「看護記録」であった. 4名中3名が差異があると述べた看護は, 「膀胱内留置カテーテル法」, 「点滴静脈内注射・中心静脈栄養管理」, 「手洗い」などであった. 【結 論】 日本と中国の違いが示唆されたので, 中国での看護技術の教育や臨床での状況について把握していく.