著者
須磨崎 亮 酒井 愛子 虫明 聡太郎 近藤 宏樹 乾 あやの 川田 潤一
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-11, 2024-01-01 (Released:2024-01-10)
参考文献数
45

2022年に欧米で原因不明の小児急性肝炎が急増した.当初は流行中のアデノウイルス(AdV)陽性例が多いと注目されたが,メタゲノム解析により英米の流行期肝炎患者の80%以上で大量のアデノ随伴ウイルス2型(AAV2)が検出された.ヘルパーウイルスとなるAdVやHHV6の同時感染が多いこと,特定のHLA型が多いことも報告され,遺伝素因にAAV2感染が重なり発症する可能性がある.AAV9ベクターを用いる遺伝子治療により免疫介在性の急性肝障害を発症した例が多く,類似の病態と考えられる.また原因不明肝炎の一部にはSARS-CoV-2関連症例も含まれる.日本では1年弱で本症が162例届け出されたが,パンデミック以前と比べると減少傾向である.AAV2検出例も10%程度と少ないことから,欧米の流行とは異なる.従来から小児急性肝不全の約40%が原因不明であり,その一部にAAV2が関与していることが推測される.
著者
永松 礼夫 中山 泰一 山本 真司 近藤 宏樹 中野 由章
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.7, pp.1-4, 2016-06-25

情報教育について高等学校教育と大学教育の接続が関心を集めているが,大学入試においても教科 「情報」 に関連する内容や考え方を問う問題が,受験科目としては数学・英語・国語・理科・社会などの情報以外の科目で出題されるケースが多くなっている.本発表では,昨年と今年の大学入試で出題された教科 「情報」 に関連する問題の調査を行った.これらの問題は大別して,(1) 内容が教科 「情報」 に関連する―インターネット・ソーシャルメディア・モデル化・データ分析・2 進数を扱ったもの,(2) 情報を活用した問題解決の要素を含む―図表・グラフ・写真などから情報を読み取る作業が要求されるもの,(3) 情報の整理・表現・発信を行う―与えられた資料や自分の知識を統合して意見を発信するようなもの,に分類することができた.また教科 「情報」 の新しい学習指導要領案では,情報の活用や発信にも重点が置かれているため,現行の指導要領ならびに新学習指導要領案の各項目と出題内容との対応関係についても調査した.