著者
世古口 英 近藤 真治 徳丸 勝悟
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.661-664, 2007 (Released:2011-06-08)
参考文献数
10

術後直腸膀胱窩膿瘍に対し, 経皮経膀胱膿瘍穿刺吸引が奏功した1例を報告する. 症例は84歳の男性で, 腹痛, 嘔吐を主訴に来院した. 小腸腫瘍による不全イレウスと診断し小腸部分切除術を施行した. 術後第17病日, 下腹部不快感と血液検査上炎症所見の増悪を認めたため腹部造影CT を施行し, 術後腹腔内膿瘍が疑われた. 経皮経膀胱的に膿瘍を穿刺し十分洗浄後穿刺針は抜去した. 処置翌日より臨床症状の改善を認め, 術後第30病日, 処置後第14病日退院となった. 術後直腸膀胱窩膿瘍は具体的報告例が少なく, 文献的考察を加え報告する.