著者
逆井 宏
出版者
宝塚造形芸術大学
雑誌
Artes : bulletin of Takarazuka University of Art and Design : 宝塚造形芸術大学紀要 (ISSN:09147543)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.47-66, 1995-03-31

筆者はかつて電話ボックスの生成と展開について論述した。この立論の背景はpublic furnitureとしての電話ボックスの位置づけを考察することにあった。同じpublic furnitureに類する郵便ポストの4生成と展開について言及する必要があった。わが国の範となったイギリス郵便史には,デザインに関わる様々な史実や遺構が多岐に亘って残されているが,本稿では主として郵便ポストの生成と展開を考察することとした。
著者
逆井 宏
出版者
宝塚造形芸術大学
雑誌
Artes : bulletin of Takarazuka University of Art and Design : 宝塚造形芸術大学紀要 (ISSN:09147543)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.31-45, 2000-03-31

筆者はかねてから「モノから都市への視点」を据えて電話ボックス・郵便ポスト・街灯・公共トイレなど街の道具について考察を重ねてきた。本稿は,同じ視点にたって,飲用水の供給が不充分であったイギリスの18世紀,19世紀において街かどに設けられた水泉と牛馬用水桶はまさに当時の低所得層の人々にとっては「生命の泉」であった。本稿の研究目的はPhilip Dayies著『Trogh&Drinking Fountains』に依拠しつつ生命の泉」が果した役割と意義を考察することにある。
著者
逆井 宏
出版者
宝塚造形芸術大学
雑誌
Artes : bulletin of Takarazuka University of Art and Design : 宝塚造形芸術大学紀要 (ISSN:09147543)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.127-144, 1997-03-31

パリ市の街路は19世紀から大きな変容をみせた。そこには4人のキーマンがいた。E.R.プペル,ヴィクトル・ユゴー,ルイ・ナポレオンであり,G.E.オースマンである。彼らは一様に街路(悪路)を嘆き,清潔化-美化を訴え改革を提言し実施した。1章では4人の「清潔革命」の各々を考察し,2章において当時の人々の衛生観念確立までの経緯を考察,3章では街灯をもって清潔化-美化のツールとしながらも技術に翻弄された史実を考察し,終章においては「人間のための街路」を展望した。