著者
堂浦 克美 逆瀬川 裕二 照屋 健太 逆瀬川 裕二 照屋 健太
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

プリオン病とアルツハイマー病では、難溶性蛋白質(プリオンとAβ)が脳組織内に沈着して神経細胞障害がおこる。インビトロ及びインビボにおけるアミロイド親和性化合物の構造活性相関解析研究を通じて、治療学の側面から両疾患に共通する病態発生のメカニズムの存在を検証した。その結果、難溶性凝集体としての物性は似ているものの、プリオンとAβでは凝集能や毒性に関与する立体的化学構造は異なっていることが明らかとなった。また、両疾患でアミロイド親和性化合物のインビボでの効果がほぼインビトロでの効果と相関しており、インビトロでの作用メカニズムの共通性から、プリオンとAβの産生や病態発生には共通なメカニズムがあり、アミロイド親和性化合物はこのメカニズムを抑制することにより治療効果を発揮しているものと考えられた。