著者
丸山 俊朗 鈴木 祥広 佐藤 大輔 神田 猛 道下 保
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.818-825, 1999-09-15
参考文献数
24
被引用文献数
14 15

閉鎖循環式の泡沫分離・硝化システムと従来の流水式システムでヒラメを飼育し, 閉鎖循環式養殖の可能性を検討した。本閉鎖循環式システムは, 飼育水槽, 空気自吸式エアーレーターを設置した気液接触・泡沫分離槽, 硝化・固液分離槽, およびpH・水温調整槽からなる。ヒラメ幼魚200尾を収容(初期収容率2.8%)し, 90日間の飼育実験(実験終了時収容率5.0%)を行った。本閉鎖循環式システムと流水式システムを比較すると, 生残率はそれぞれ93.5%と98%であり, また, 飼料効率は, それぞれ117%と110%であった。本閉鎖循環式システムによって, 飼育水をほぼ完全に排水することなしに, 高密度飼育することができた。