著者
愛甲 哲也 鄭 佳昇 浅川 昭一郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.669-672, 2002-03-30
被引用文献数
9 12

利用者の心理的側面から自然公園の収容力を設定するため,混雑感や許容限界の把握手法が検討されてきた。しかし,許容限界を数値で指摘させる手法では,利用密度の高い区域での指摘率の低さなどの問題点も指摘されている。本研究では,大雪山国立公園姿見地区の利用者を対象に,利用状況の異なる場面を想定した写真により,混雑感と許容限界を把握し,その特性について検討した。許容限界の指摘率は数値で指摘させた過去の事例に比べ高く,利用状況を想定しやすく,回答しやすかったと考えられた。しかし,写真中の利用者数と混雑感に一貫した関係がみられない場合もあり,利用者の位置や構成に検討が必要なことが示された。