著者
愛甲 哲也 留目 未沙子 浅川 昭一郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.703-708, 1999-03-30
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

山岳性自然公園では, 利用に伴う様々なインパクトが指摘され, その管理には登山者の認識の理解が不可欠である。本研究では, 大雪山国立公園の登山者を対象に, インパクトに対する登山者の認識, 排泄行為の実態と今後の屎尿処理のあり方に対する態度を調査した。その結果, 屎尿処理に関して不快感と対策の必要性がともに高く認識され, インパクトの認識が高い回答者ほど登山経験が多く, 長期の縦走をしていた。山中での排泄行為と今後の屎尿処理に対する態度は性別や登山形態, インパクトの認識により異なり, 女性または登山経験が多く, インパクトの認識が高い回答者ほどトイレ整備のための経費の負担や屎尿の持ち帰りに同意する傾向がみられた。
著者
中根 和之 愛甲 哲也 浅川 昭一郎
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.653-658, 2001-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
28
被引用文献数
3

今日多くの山岳自然公園では, 登山利用に伴う自然環境, 及び利用者への影響が問題となり対策が求められている。各地から登山者による管理活動が報告されているが, その内容や組織体制, 活動に伴う課題は明らかでない。本研究では北海道の山岳会を対象に郵送でアンケート調査を行い, その結果, 登山道や山小屋等施設の清掃や修復, 監視技術指導, 登山会の開催等の活動が明らかになった。また, 山岳会, 地区連盟, ボランティア団体が, 山岳地管理の組織化と対外的な応対を行っていた事例がみられた。一方, 参加者不足, 活動の負担, 連携不足が問題として挙げられ, 行政による支援と制度上の位置付けが必要と考えられた。
著者
愛甲 哲也 鄭 佳昇 浅川 昭一郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.669-672, 2002-03-30
被引用文献数
9 12

利用者の心理的側面から自然公園の収容力を設定するため,混雑感や許容限界の把握手法が検討されてきた。しかし,許容限界を数値で指摘させる手法では,利用密度の高い区域での指摘率の低さなどの問題点も指摘されている。本研究では,大雪山国立公園姿見地区の利用者を対象に,利用状況の異なる場面を想定した写真により,混雑感と許容限界を把握し,その特性について検討した。許容限界の指摘率は数値で指摘させた過去の事例に比べ高く,利用状況を想定しやすく,回答しやすかったと考えられた。しかし,写真中の利用者数と混雑感に一貫した関係がみられない場合もあり,利用者の位置や構成に検討が必要なことが示された。
著者
曾 碩文 浅川 昭一郎 遠藤 寛
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.703-708, 2004-03-31
被引用文献数
3 3

In order to explore children's consciousness of the changes in winter play spaces during the past 12 years, a questionnaire was delivered to elementary school students in Sapporo, in 2002. Our aim was to understand the reasons for the decrease in the frequency of outdoor play activities in winter. The results were as follows: (1) The frequency of outdoor play activities decreased during the past 12 years, as well as the willingness to play outside in winter. (2) In the case of positive parents attitudes towards outdoor play activities in winter, the frequency of outdoor play activities of their children was higher compared to parents with negative attitudes. (3) Compared to 12 years ago, the frequency of playing on roads and barren grounds decreased, and the mostly used play spaces in winter were parks and dwelling surroundings. (4) There were no changes in the frequency of playing in parks during the past 12 years, therefore availability of parks proves to have an important role even during the winter season. According to the results, for the future planning of winter playgrounds, we have to consider not only the facilities (tangibles), but also the management (intangibles) of these spaces.