著者
鄭 玉良 今井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.97, no.380, pp.55-62, 1997-11-19

Signcryption は公開鍵暗号技術の新たなプリミティブであり、公開鍵暗号化とディジタル署名の両機能を効率的に実現する。すなわち、従来通り署名してから暗号化をするという2ステップを経て両機能を達成する場合 (signature-then-encryption方式) と比較して、コストを極めて低くすることができる。本稿では、この Signcryption を有限体の楕円曲線上で実現する方式について述べる。さらに、楕円曲線上の signature-then-encryption 方式との効率比較を行い、Signcryption によって計算コストが58%、通信オーバーヘッドが40%削減できることを示す。
著者
馬場 健介 古原 和邦 岩村 恵市 鄭 玉良 今井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.98, no.48, pp.61-69, 1998-05-15

ディジタルコンテンツの著作権保護システムを実現する手段として、電子透かし技術が数多く研究されている。一般に、画像の販売者のみが購入者情報を生成し、電子透かしを用いてその埋め込みを行なうようなシステムでは、流出画像が購入者が流出させたものか、販売者から流出されたものかを厳密に区別することはできず、何らかの方法で販売者のコンピュータから、ある購入者情報が埋め込まれた画像が漏洩されれば、不正行為を行なっていない購入者が不正であるとみなされる可能性がある。そこで本稿では、購入者情報の埋め込みに購入者自身が参加し、販売者側から購入者情報が漏洩しても購入者が不正とみなされないプロトコルを提案する。このプロトコルはディジタル画像だけでなく、音声や動画像といったディジタルコンテンツにも応用できる。