著者
羽鳥 剛史 鄭 蝦榮 小林 潔司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.148-167, 2008

本研究では,第3者委員会の実施が,住民のプロジェクト計画に対する信頼形成に及ぼす影響を分析する.その際,第3者委員会の役割として,1)プロジェクト評価情報の集約,2)プロジェクト計画に対する住民の信頼形成,という2つの役割に着目する.その際,公開の場で実施される第3者委員会を,2つのコミュニケーションモデルを統合した連結ゲームとして定式化する.具体的には,行政と第3者委員,行政と住民のコミュニケーション関係を主観的ゲームとして記述する.その結果,連結ゲームでは,委員の戦略的発言により,非効率的なコミュニケーション均衡が実現する可能性があることを指摘する.さらに,第3者委員会の公開制度が有する問題点を克服するための方策について理論的に考察する.
著者
羽鳥 剛史 小林 潔司 鄭 蝦榮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.101-120, 2013 (Released:2013-05-20)
参考文献数
92
被引用文献数
4 3

社会基盤整備事業に関わる合意形成を行う上で,パブリック・インボルブメントをはじめとする公的討論が重要な役割を担っている.本研究では,社会基盤整備における公的討議の意義と課題について整理し,社会的意思決定における正統性を様々な討論過程を通じて担保するための理論的枠組みについて考察する.その際,討論システムの概念を導入し,公的討論が特定の公的討論を対象としたミクロ討論,討論システム全体を対象としたマクロ討論で構成されており,パブリック・インボルブメント等が,ミクロ討論とマクロ討論を接合させる役割を果たすことを指摘する.その上で,討論システムを構成する公的討論の基本原理や望ましい討論を実現するための課題や問題点,討論の望ましさを評価するための基本的な考え方について考察する.