著者
金田 重郎 井田 明男 酒井 孝真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.419, pp.13-18, 2013-01-21

著者らは,(1)クラス図か英語の言語構造に立脚していること,そのため,(2)ヒシネス仕様記述から概念クラス図を作成する際には,認知言語学のコアイメーシの利用か効果的てある,と考えている本稿ては,「を格」,「に格」,「て格」の格助詞から構成される単文パタンて仕様を記述し,これを概念クラス図に変換する手法を示す結果として,ヒシネス仕様記述と概念クラス図の間にトレーサヒリティか確保されるたけてはなく,作成者に依存しない概念クラス図か生成てきる可能性かある実際に,学生による初歩的な実験の結果,作成される概念クラス図のバラエティか減少することを確認した.
著者
酒井 孝真 長村 篤記 井田 明男 金田 重郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.64, pp.7-12, 2012-05-18

本稿では, SSM,システムシンキング,概念データモデリングなどの問題領域モデリングにおいて利用されるモデリング手法(概念活動モデル,因果ループ図,組織間連携モデル)をメタレベルで比較する.比較手法としてはUMLクラス図の他,英語の品詞を利用する.それにより,それぞれのモデリング手法が,問題領域を表現する概念(加算名詞,非可算名詞,動作動詞,状態動詞)のサブセットを利用して,対象のある側面のみを強調していることを示す.また,同様にして,手島による概念データモデリングの「静的モデル」が概念クラス図に一致しないことを示す.
著者
金田 重郎 井田 明男 酒井 孝真
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2014-IS-128, no.3, pp.1-8, 2014-05-30

サピア=ウォーフの仮説は,母語が対象世界の認識に影響する可能性を示唆している.特に,ソフトウェア開発上流工程では,自然言語 (母語) を用いるため,サピア=ウォーフの仮説の影響を受ける可能性がある.しかし,何故か,このことは,従来論じられて来なかった.そこで,本稿では,クラス図が英語の認知構造を反映していること,そして,そのことの認識なしでクラス図を理解しようとしても困難が生じる恐れがあること,を示す.ただし,著者らの従来研究では,日本では良く知られた英語 5 文型を用いてきた.5 文型は非英語圏出身者に英語を教えるためのツールであるが,現在の英国の文法書では,「所格」 を必須とする 7 文型が推奨されている.そこで,本稿では 7 文型を用いてクラス図を理解する.これによって 「もの-こと-もの」 パターンの本質も理解できる様になる.更に,クラス図では,関数従属性によるモジュラリティの確保が必要であることを論じて,7 文型の視点をも併せ,クラス図作成のためのガイドラインを提示する.このガイドラインの下で,日本語特有の 「存在文 (『ある』 型文)」 表現ではなく,関数従属性を取り出しやすい 「行為文 (『する』 型文)」 を用いて,日本語記述文を単文化すれば,日本語圏に生まれた者であっても,見通し良くクラス図を作成できる.本稿で示したクラス図への理解によって,初学者はより易しくクラス図の本質を学び得ると確信している.