著者
重松 保弘 輿那覇 誠 吉田 将
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.1041-1051, 1992-08-15
被引用文献数
1

関係データベース言語SQLをホスト言語埋込み形式で使用する場合 現在のJIS(ANSI ISO)規格で標準化されているホスト言語ではSQLとの不整合性が問題とされているこれは 本質的にはホスト言語が集合や関係を言語仕様に含まないことに起因するそこで この不整合性の改善 とくに集合変数を用いたSQLインタフェースの改善をはかる目的で 著者らが開発した集合指向言語SOLをSQLのホスト言語として応用し SOL/SQLシステムを開発した具体的にはSQL文のうちSELECT文 INSERT文およびUPDATE文についてスカラ変数列 集合変数および写像列が指定できるよう埋込み構文を拡張するとともに カーソル処理によるデータアクセス機構などをSOL/SQL言語処理系によって隠ぺいすることにしたその結果 ホスト言語SOLとSQL間で集合単位および関係単位のデータの受渡しが自然な形式で記述できるようになり ホスト言語とSQL言語の整合性を改善することができたまた 応用プログラムの記述量もPLI/SQLの場合と比較して大幅に縮小できるようになった本稿では SQL文の拡張埋込み構文の仕様とIBM 4381上で開発したSOL/SQL言語処理系について述べるとともに SOL/SQLとPLI/SQLで比較記述した応用プログラム例を示す