著者
椎尾 一郎 増井 俊之 塚田 浩二
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1661-1670, 2005-07-15
参考文献数
24
被引用文献数
1

だれもがいつでもどこでも情報を操作できるユビキタスコンピューティング環境を実現するための各種の研究がさかんになっている.しかし,高価な位置センサや入出力デバイスを多くの場所に正確に設置する必要があるものや,単純な機能しか提供しないものが多く,ユビキタスコンピューティング環境で必要とされる,安価/頑丈かつ必要十分な機能を提供する装置は従来あまり提案されていなかった.本論文では,動きセンサとID認識装置を組み合わせた入力装置"MouseField"を提案する.RFIDなどを内蔵する物体をMouseFieldの上に置いた後で動かす操作を行うことにより,マウスを用いたGUIでコンピュータを操作するのと同じ機能をユビキタスコンピューティング環境で実現することができる.Although various interaction technologies for handling information in the ubiquitous computing environment have been proposed, some techniques are too simple for performing rich interaction, and others require special expensive equipments to be installed everywhere, and cannot soon be available in our everyday environment. We propose a new simple and versatile input device called the MouseField that enables users to control various information appliances easily without huge amount of cost. A MouseField consists of an ID recognizer and motion sensors that can detect an object and its movement after the object is placed on it. The system can interpret the user's action as a command to control the flow of information. In this paper, we show how this simple device can be used for handling information easily in ordinary environments like living rooms, kitchens, and toilets, and show the benefits of using it in the ubiquitous computing environment.
著者
平尾 努 奥村 学 福島 孝博 難波 英嗣 野畑 周 磯崎 秀樹
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.14, pp.60-68, 2007-09-15
参考文献数
17
被引用文献数
1

複数文書要約の対象となる文書群には,ある文に対して,意味的に似通った文やまったく同じ文が含まれていることが多い.こうした傾向は,要約のための文書群を複数の情報源から得た場合に特に顕著である.しかし,従来のコーパスには,このようなよく似た文,あるいは同一の文の間に注釈付けが存在しない.これは,抜粋を評価するための指標を定義するうえで致命的な問題となる.本稿では,こうした冗長性を考慮したコーパスへの注釈付けの枠組みを提案し,それに基づき,抜粋の情報量を測る指標である被覆率,抜粋に含まれる重要文の冗長度を測る指標である重要文冗長率を提案する.これらの指標による抜粋の順位付けと被験者による順位付けとの間の順位相関係数は,ともに0.7以上であり,人間の順位付けとの間に高い相関があることが分かった.In multiple document summarization, input documents have many similar (or even identical)sentences. However, conventional corpora for multiple document summarization do not include links between similar sentences. This is a critical problem with regard to the definition of evaluation measures for sentence extraction. In this paper, we propose both annotation scheme for corpus and evaluation measures, "coverage" and "redundancy." "Coverage" measures the content information of the system extract and "redundancy" measures the redundancy of the important sentences contained in system extract. We evaluate "coverage" and "redundancy" by comparing their ranking correlation coefficients with subjective human rankings. The results show that both measure attained enough high correlation coefficients, which were more than 0.7 correlation coefficients.
著者
小野真由美 井上創造 星子奈美
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.109, pp.43-51, 2007-11-08

九州大学学術情報リポジトリ(略称 QIR)とは,学内で生産された知的生産物を収集・蓄積・保存し,インターネットを通じて無償で配布するシステムである.QIR と研究者情報の連携は,各システムのユーザビリティの向上を目指すものであり,連携により,研究者情報の業績一覧からワンクリックで対応する文献の閲覧を可能にし,さらに研究者情報のデータを流用した QIR のデータ登録も実現している.本論文では,システム連携に関する課題から設計・実装方法を説明し,最後にデータの解析について述べる.
著者
三浦 元喜 最所 賢至 清弘 祥太
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1172-1180, 2016-04-15

タブレット端末やスマートフォンにおけるソフトウェアキーボードによる文字入力は,物理的なキーボードによる文字入力に比べて負荷が高い.そのため,画面に表示されている文字列を選択し,コピー&ペーストして再利用することが頻繁に行われる.しかし従来のタブレット/スマートフォン用OSにおける文字列範囲選択手法は選択対象文の文法や文脈を考慮して設計されていない.本研究では,日本語文字列をタブレット端末やスマートフォンで効率良く選択するための,日本語形態素を考慮した文字列範囲選択手法を提案し,その有効性を確認する.文字単位,単語単位,およびひらがな1文字の助詞を直前の単語と連結する方式(単語+助詞単位)3条件での被験者実験を行い,一元配置の分散分析を行った結果,上記3手法の作業時間の平均値に有意差が認められた.また選択可能な境界の位置について単語単位と文字単位とを動的に切り替える手法の被験者実験を行い,分散分析を行った結果,選択範囲の終端が単語の境界と一致するタスクにおいては作業時間が減少する傾向がみられた.Conventional copy-and-paste technique for touch screen devices utilizes region handles to specify text snippet. The region handles appear so as to select the initially tapped word, and the user controls the region handles. Most of the text-selection task is performed at the boundary of words, however, the minimum movement unit of the region handle is still a character. We propose a context-sensitive text-selection method for the tablet OSs using Japanese morphological analysis. For the initial consideration, we investigated a word grouping method that meant a word as a minimum movement unit. From our experiment, we confirmed that the word grouping method can significantly reduce the text-selection time, and the word grouping size significantly affects the time. Also we tested a flexible word grouping method that changes the minimum movement unit by considering the movement speed of the region handles. The result showed a tendency of reducing the text-selection time, if target regions ended with the boundary of words.
著者
高木 允 森 康真 田村 慶一 北上 始
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.93-104, 2008-03-15

本研究では,ブログの書き手であるブロガに焦点を当て,ブロガをノード,トラックバックによるつながりを辺としたグラフから,数カ月にわたって頻出し,かつ重複を許したコミュニティを発見する手法を提案する.提案手法は,複数のグラフから頻出部分グラフを抽出し,得られた頻出部分グラフに重複を許したクラスタリング手法を適用することにより,重複を許した頻出コミュニティを発見する.頻出部分グラフの抽出については,頻出部分グラフ抽出の問題を頻出アイテム集合抽出の問題に変換し,LCM 法を用いることで頻出部分グラフ抽出を達成している.重複を許したクラスタリングについては,頻出部分グラフをNewman らのクラスタリング手法を応用し,縮約グラフの作成と再クラスタリングすることで達成している.提案手法の有用性を確認するために,複数カ月にわたりブログデータを収集し,頻出コミュニティの抽出を行った.その結果,共通の興味・関心を持って頻出するコミュニティと,複数のコミュニティに重複してクラスタリングされるブロガを発見できた.In this study, we focus on bloggers who are writers of blog articles and propose a technique which extracts frequent and overlapped communities across multiple months from graphs consisting of nodes and edges. A node is defined as a blogger and an edge is a connection of trackback. First, the proposed technique extracts frequent communities by extracting frequent subgraphs. Second, the proposed technique extracts overlapping communities by clustering the extracted subgraphs. In the procedures of extraction of frequent subgraphs, we transform the frequent subgraphs extraction problem to the frequent itemsets extraction problem. In the first step, the LCM algorithm is applied to extract the frequent itemsets. In the second step,we applied the Newman's algorithm to find overlapping clusters. To confirm the availability of proposed technique, we collected the graph data and extracted the frequent communities.As a result, frequent communities which have common interests and the bloggers who are clustered into multiple clusters are extracted.
著者
新川 拓也 山之上 卓
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DSM, [分散システム/インターネット運用技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.31-36, 2006-09-15
参考文献数
7
被引用文献数
10

ネットワーク内の通信トラフィックを,IPアドレスとポートを軸とした二次元平面上に表現する通信可視化手法により,通信状況の概要を視覚的に把握するアプリケーションツールの開発を試みた.従来から様々な方法で通信を可視化する工夫がなされてきたが,ここではIPv4アドレス32bitの下位8bitを取り出したもの(256点)を横軸とし,port番号16bitのうち下位8bitを取り出したもの(256点)を縦軸とした.それぞれの点では単位時間あたりの流量を色で表す.この点をクリックすると,詳しいトラフィック状況が確認できるようになっている.すべてのトラフィックのおおまかな概要を人間が一目で確認できるようになったと同時に,その点をクリックして詳しい状況が確認できる.このツールによってポートスキャンなどの異常なトラフィックを簡単に認識することができた.
著者
阿部 寿人 松山 克胤 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CG,グラフィクスとCAD研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.117, pp.67-72, 2004-11-26
参考文献数
22
被引用文献数
2

Sosorbaram等は,DLA(Diffusion Limited Aggregation)モデルを拡張した電界を考慮した放電パターンの生成モデルを提案している.本論文では,この放電パターンの生成モデルにより生成された稲妻のパターンに適合する雷鳴を自動的に生成する手法を提案する.雷鳴は稲妻発生時の大気の急激な温度変化で起こる衝撃波である.本手法では,この雷鳴を,生成された稲妻パターンに沿って,それぞれの階段状先駆に,N波を基本として構成したサウンドテクスチャを音源として配置し,受聴点に到達する波形を合成することにより,近似的に生成している.
著者
加地 太一 大内 東
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.364-372, 1994-03-15
被引用文献数
5

頂点が連続的な番号を保持し、始点が初期番号、終点が最終番号となり、両端点が異なるグラフをG(V、E)とする。本論文に右ける最適系列グラフ分割問題はグラフGに対して、各頂点に与えられた重みの総和がブロックサイズP(>0)以下であり、かつ、部分集合の頂点番号が連続的に保特される条件のもとで、カットされる辺のコストの和が最小となるよう分割する問題である。本問題の一つの応用例としては、プログラムを一定の大きさの単位で記億頒域に割当を行うぺ一シングの手法が考えられる。本論文では動的計算による最適系列分割問題に対して、探索法為よび限定操作の観点から改善の余地があるものと考え、分技限定法の手法を導入することによりて効率的算法を構成する。さらに得られた算法の数値実験にもとづいて算法の特性と性能評価を行い、理論的計算量についても論じる。以上より、漸近的計算量は等しいが、細分化禁止則、反復回数の減少、同レベルの優越関係による削除、下界値こよる限定などの探索空間の実際の絞り込みによって計算量の負担を軽減することが可能であることを示す。
著者
園田 章人 井上 創造 岡 賢一郎 藤崎 伸一郎
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.802-810, 2007-02-15
被引用文献数
11

RFID を利用したトリアージのシステムとその実証実験について述べる.トリアージは,1. 負傷者の分別・搬送を効率良く行う,2. 事故の負傷者の程度や規模の情報を得る,ことである.本研究では,RFID タグとモバイルネットワーク機器を利用して,1 および2 を効率的に行うシステムを提案した.また,80 名程度の負傷者を想定したトリアージの実証実験を行った.その結果,負傷者の搬送時間の短縮と,確実かつ迅速な情報収集ができた.A triage system using RFID and its experiment are described. Triage is a procedure used by emergency personnel to ration limited medical resources to massive injured people, in which triage tags, are used to 1: classify and transport the injured effectively, and 2: obtain and publish the state and the scale of the casualty incident. We applied RFID tags and mobile devices with a wireless network to speed up 1 and 2 and to make them accurate, and verified the effectiveness through an experiment assuming massive injured people, and demonstrated that it even accelerates the transportation of the injured people.
著者
海尻 賢二
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.376-382, 1981-07-15

本論文では構文マクロを利用した2パスのプリプロセッサ生成機システムについて述べる.構文マクロの利用においては構文を利用するが 入力のすべての構文を解析するのは無駄であるので 変換の必要のない構文を構成する記号列を1つのトークンとみなし otherトークンと呼ぶ.鱈いレベルで.therトークンかマクロ記号かを決定し 以降の解析を行う.すなわち変換の必要のない記号列は.otherと呼ばれる1つのトークンとみなす。この方法によりマクロの定義は容易になりまた作成されるプリプロセッサの速度も向上する.マクロの定義はマクロ記号と特別のotherトークンを定義する語い定義 構文およびそれに対応する解析木を定義する構文定義 その解析木に対してマクロ本体を定義する意味定義の3つより成るシステムは各定義を処理してマクロ定義表を作成するプリプロセッサ生成機と その表によって駆動される核プリプロセッサより成る.プリプロセッサは2パスであり 弱順位文法に基づくパーザと ユーザの定義した形式の解析木を出力プログラムヘ変換するトランスフォーマの2つより成る.システムはすべて構造化Fortran RATFOR-Rで記述されている.
著者
山之上 卓
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.392-402, 2005-02-15
被引用文献数
8

P2P技術を利用して,多数の端末コンピュータのアプリケーション操作を,その利用者間で,実時間で共有するシステムについて述べる.P2P技術とネットワークスイッチを利用することによって,端末数がN の場合,O(logN) の遅延時間で,1つの端末で行われる操作をすべての端末で表示することができる.端末間で操作を共有するためには,同時に複数の端末で異なる操作が行われることがないようにしなければならない.これを実現するために,最大でO(logN) の時間でcritical sectionに入ることができる排他制御アルゴリズムを組み込んでいる.40台の端末を使って,本システムと同じアプリケーションを使用するクライアント?サーバ型のシステムと性能を比較したところ,マウス操作を行った場合はP2P技術を利用したほうが遅延が短かった.遠隔地間で操作を共有し,ゲームを行うこともできた.A sytem, which shares the common operation of applications on many terminals of a distributed system in realtime using P2P technology, is shown. This system can show an operation on a terminal to every terminal in the latency of at most O(logN) time complexity, where N is the number of terminals, using a P2P technology and a switching network. In order to share a common operation on computer terminals, at most one operation must be executed on the terminals at a time. In order to realize this, a mutual exclusion algorithm is embedded in this system. The time complexity of entering the critical section is O(logN). We have compared the performance of this system with the performance of a client-server system which has the same applications using 40 terminals. The latency of our system was shorter than the client-server system when a mouse was moving. A game could be played by remote users using this system.
著者
松山 隆司 浅田 尚紀 青山 正人 浅津 英樹
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.2310-2320, 1995-10-15
被引用文献数
3

本論文では、我々が開発中の並列画像理解用計算機RTA/1上でデータレベル並列処理を実現する方法について述べ、ボトムアップ解析による対象認識過程を効率的な並列プロセスの組み合わせとして構成できることを示す。RTA/1は先に提案した再帰トーラス結合アーキテクチャに基づいて設計したMIMD型分敵メモリ並列計算機で、PE(Processing Element)群によって構成される2次元トーラスの再帰的分割・統合を最大の特徴としている。論文の前半では、データセット(要素データの集合)に対する演算を丑つの基本演算バターンに分類整理し、その並列化がデータセットと処理関数の分割および複写、SPMD(SingIeProgramMuItipleData)型およびMPSD(Multip1e Programs Sing1e Data)型の並列関数適用および並列バイプライン処理の5種類の機能によって実現できることを示す。すなわち、ここでは五つの基本演算パターンを並列実行することによりデータレベル並列処理が実現でき、並列化された演算バターン(並列プロセス)を組み合わせることにより、複雑な並列処理過程が構成できると考える、こうした考えに基づき論文では、RTA/1上でのデータレベル並列処理の実現法を検討し、エッジ検出、Hough変換、Geometric Hashingを用いた対象認識過程をデータレベル並列プロセスの組み合わせとして設計する。
著者
坂本 憲昭 深瀬 光聡 峯 恒憲 日下部 茂 中西 恒夫 大森洋一 北須賀 輝明 ウッディンモハマッドメスバ 荒木 啓二郎 福田 晃 安浦 寛人
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.2830-2842, 2008-08-15
被引用文献数
6

高度情報化社会の基礎である情報技術の発達は我々の生活を一変させるほどのインパクトを持っており,その進歩の速度は目覚ましいものがある.一方で産業界からは次世代を担う能力を備えた高度ICT(Information and Communication Technology)人材の不足が指摘されている.このような技術の進歩と社会的要請に応えるため,九州大学大学院システム情報科学府では平成19年4月から新しい修士課程教育コースである社会情報システム工学コースを設置した.本コースでは,文部科学省の支援を受け,日本経団連傘下企業との大規模な連携体制の下で,高度な技術力を持ち,基礎知識と社会的倫理観を兼ね備えた世界に通用するリーダの育成を目的とした実践的教育を開始した.この教育プログラムの計画実施過程の中で,1) PBL(Project Based Learning),2) オムニバス形式講義,3) 長期インターンシップ,4) カリキュラム内容検討,のあり方や実施方法に関していくつかの知見が得られた.本論文では,当コースの教育内容と方法,修士課程1年前期終了時点における実績と評価,および今後の課題について述べる.The progress of Information Technology, which is the infrastructure of an advanced information society, is remarkable and has the enormous impact on our daily life. On the other hand, it has been pointed out by the industry that there is a lack of highly skilled ICT (Information and Communication Technology) personnel who can lead the next generation. In order to address this issue, the Graduate School of Information Science and Electrical Engineering in Kyushu University has established Social Information System Engineering Course. Since April 2007, we have started practical education program with an objective to foster world class leader who has extraordinary technical skill, basic knowledge and sense of ethics. This effort is gradually progressing by the collaboration with various companies through Nippon Keidanren with support of Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology. There have been several findings in 1) PBL (Project Based Learning), 2) omnibus classes, 3) long term internship, and 4) curriculum improvements during the planning and execution of this program. This paper describes the content, method, result and evaluation at the end of the first semester of this course. We also discuss the issues and concerns that need to be resolved.
著者
丸山 健一 丸山 稔 宮尾 秀俊 中野 康明
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.2270-2273, 2003-08-15
被引用文献数
1

本研究の目的はSVMを用いて高い累積正解率を持った多重仮説を構築することである.ある1つの候補を求める手法としては,DAGSVMが学習,識別時間の面で非常に優れている.しかしながら,累積正解率,つまり複数の候補を求めることを考慮していない.本論文ではDAGSVMとMax-Winアルゴリズムを用いたハイブリッドな認識手法を提案する.具体的には,DAGSVMの結果に基づき,Max-Winアルゴリズムの候補を限定する.実験の結果,提案手法はMax-Winアルゴリズムと同等の累積正解率でありながら,DAGSVMと同等の計算量であった.This paper describes a method to make multiple hypotheses with highcumulative recognition rate using SVMs.To make just a single hypothesis by using SVMs, it has been shown that DAGSVM is very good with respect to recognition rate, learning time andevaluation time.However, DAGSVM is not directly applicable to make multiple hypotheses.In this paper, we propose a method of DAGSVM and Max-Win algorithm.We also provide the experimental results to show that thecumulative recognition rate of our method is as good as the Max-Winalgorithm, and that the execution time is almost as fast as DAGSVM.
著者
池田 明 海尻 賢二
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.4105-4110, 2008-12-15

仕様書が不完備な場合の政府調達は,交渉契約によらざるをえない.「開発・生産リスクおよび官民生産情報格差」と「契約制度」の未整合は,モラルハザードの誘因となる.本論文では,マルチエージェントベースアプローチにより政府調達を模擬し,エージェントの裁量行動が,モラルハザード「過大請求」および「価格交渉レース」の誘因となることを検証し,制度改革の基本条件を提言する.Government procurements with incomplete specification have to be based on negotiated contracts. The contract with the risk and the information gap between government procurers and companies on production is apt to lead to moral hazards. In this article, we simulate government transaction with multiagent based approach, we verified that agent discretion behavior lead to moral hazards such as "excessive claim" and "price negotiation race", and propose basic condition for the reform of the government procurement institution.
著者
重松 保弘 輿那覇 誠 吉田 将
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.1041-1051, 1992-08-15
被引用文献数
1

関係データベース言語SQLをホスト言語埋込み形式で使用する場合 現在のJIS(ANSI ISO)規格で標準化されているホスト言語ではSQLとの不整合性が問題とされているこれは 本質的にはホスト言語が集合や関係を言語仕様に含まないことに起因するそこで この不整合性の改善 とくに集合変数を用いたSQLインタフェースの改善をはかる目的で 著者らが開発した集合指向言語SOLをSQLのホスト言語として応用し SOL/SQLシステムを開発した具体的にはSQL文のうちSELECT文 INSERT文およびUPDATE文についてスカラ変数列 集合変数および写像列が指定できるよう埋込み構文を拡張するとともに カーソル処理によるデータアクセス機構などをSOL/SQL言語処理系によって隠ぺいすることにしたその結果 ホスト言語SOLとSQL間で集合単位および関係単位のデータの受渡しが自然な形式で記述できるようになり ホスト言語とSQL言語の整合性を改善することができたまた 応用プログラムの記述量もPLI/SQLの場合と比較して大幅に縮小できるようになった本稿では SQL文の拡張埋込み構文の仕様とIBM 4381上で開発したSOL/SQL言語処理系について述べるとともに SOL/SQLとPLI/SQLで比較記述した応用プログラム例を示す