著者
野々村 美宗
出版者
山形大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007

皮膚の構造と機能を模倣した表面を持つマイクロカプセルおよび皮膚モデルを開発し、皮膚が外部刺激や乾燥から体内の臓器を保護する機構を物理化学的視点から解明することを日的として研究を行った。その結果、羊毛を粉砕して得たケラチンパウダーによって被覆されたエマルション及びマイクロカプセルの調製に成功した。このマイクロカプセルは皮膚のモデルとして有用なだけでなく、生体への安全性や皮膚親和性の高い化粧品1医薬品用製剤に有用であることが予想される。また、固体粒子とモデル細胞間脂質混合膜で寒天ゲルを被覆した皮膚モデルを調製し、寒天ゲルからの水分蒸散量を測定した。その結果、コレステロールと脂肪酸を適量添加することにより、寒天ゲルからの水分の蒸散が効果的に防止されることを見出した。この成果は角質層内における脂質の存在の重要性を示すものであり、化粧品などの開発に有川な知見である。