著者
水島 あかね 野中デュルト 沙羅セシィル
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.49-60, 2023-03-31 (Released:2023-06-15)

神戸市塩屋は,明治以降に外国人が多く居住した地域で,昭和初期に開発されたジェームス山外国人住宅地が現存する。近年は若い世代やクリエイターの移住や店舗の新規開店が相次ぎ,新旧の住民が共生している地域でもある。本研究では,昭和の記憶を持つ住民への聞き取り等により,住民と外国人との日常での直接的な関わりはあまりなかったものの,外国人の増加により,外国人と関わる仕事が創出されたこと,ジェームス山があるために戦時中安全だったと信じられていたことなどから,戦争を経ても外国人を好意的に受けとめ,異文化を受け入れる土壌は,外国人との共生により生まれ今日の塩屋に引き継がれていることを明らかにした。