著者
後藤 克史 シュロフ ヴィシュワ
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.157-168, 2023-03-31 (Released:2023-06-15)

本研究ではボンベイの近代化の基礎となる19世紀中頃以降の紡績工業の発展により引き起こされた公衆衛生に関する法整備がやがては住居改善の法律へと発展していく変遷をたどりつつ,特に二つの世界大戦の間,1930年代を通じて建設されたアールデコ様式のアパートメントを対象にアールデコ様式のアパートメントの平面計画,特にキッチン,トイレと洗浴場と居室との関係性を中心に当時のアパートメント居住に抱かれた「あこがれ」と家庭内での女性地位の向上に至る経緯を明らかにする。
著者
安武 敦子 佐々木 謙二 志岐 祐一
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.215-224, 2023-03-31 (Released:2023-06-15)

戦後の公営住宅の不燃化の流れを整理し,1948年度に全国に展開した48型の所在や,標準型とは別に店舗付き住宅が建設されたことを把握した。さらに新聞等から地方での建設過程を明らかにした。平面計画に関しては,47型・48型は戦前の同潤会アパートの間取りに近いものの,住宅営団の日照の考えを取り入れ,48型では台所の家事動線が軽減されるなど改良が加えられている。施工については配筋間隔など高輪アパートとの差があったが大きな違いはなく,同一建物内で品質のバラツキが大きいことが確認された。またその後の規準と比較すると鉄筋が過剰に設計されていたことが分かった。
著者
野口 修 加藤 詞史
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.73-84, 2021

千葉県我孫子市の手賀沼地域では,大正時代の同時期,白樺派同人の志賀直哉,武者小路実篤,柳宗悦が居住し,独自の創作活動をした。また,彼らと親交の深い芸術家が我孫子を訪ねたり,実際に移住した者もいたことから,この共同体は『我孫子コロニー』と表された。本研究で試みたのは,1.手賀沼地域の3旧邸に関する図面や写真資料,言説を掘り起こして整理・補完し,当時の住環境を復元すること,2.我孫子を起点に3者の住宅変遷を辿り,近代日本住宅史における白樺派建築の位置付けについて考察すること,3.研究で得た知見を基に『我孫子コロニー』を再評価し,3.旧邸跡の保全や活用を目的とした新しい地域計画を実践することである。
著者
小粥 祐子 斎藤 英俊 平井 聖 千田 堅吉 吉野 敏武 岩佐 奈美
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.189-199, 2020

建物・住宅の室内を装飾する材料の1つに「唐紙」という壁紙がある。現在,唐紙は京庸紙と江戸からかみの2系統に分けられている。京都にある「唐長」では,京唐紙を寛永年間(1624-1643)から,今もなお,家業として製作しつづけている。この「唐長」には,江戸時代から伝わる史料群『千閏家文書』がある。約400年におよぶ「唐長」の歴史の中で,目本住宅における唐紙の需要と供給は様々に変化してきた。そこで,本研究助成では,『千田家文書』を整理するとともに,時代により唐紙の需要が変化した際,「唐長」の経営・販売形態にどのような変化があらわれたのかを明らかにした。
著者
塩崎 賢明 阪東 美智子 川崎 直宏 稲葉 剛 見上 崇洋 岡本 祥浩 川田 菜穂子 鈴木 浩
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.25-36, 2018

本研究は,2006年に制定された住生活基本法とそれにもとづく一連の住宅関係法制を「住生活基本法体制」とし,その到達点を明らかにすることを通して,人間らしい住まいと環境を享受できていない居住弱者の実態を明らかにし,居住弱者をなくし国民の住生活の向上を図るうえでの課題を導こうとした。住生活基本法と住宅セーフティネット法の法的性格を検討し,ホームレス,若者,被災者等の居住弱者の実態を明らかにし,居住貧困に対して住生活基本法体制及びそのもとにある住宅セーフティネット法とその改正の施策について評価を加えた。
著者
野口 修 加藤 詞史
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.73-84, 2021 (Released:2021-06-01)

千葉県我孫子市の手賀沼地域では,大正時代の同時期,白樺派同人の志賀直哉,武者小路実篤,柳宗悦が居住し,独自の創作活動をした。また,彼らと親交の深い芸術家が我孫子を訪ねたり,実際に移住した者もいたことから,この共同体は『我孫子コロニー』と表された。本研究で試みたのは,1.手賀沼地域の3旧邸に関する図面や写真資料,言説を掘り起こして整理・補完し,当時の住環境を復元すること,2.我孫子を起点に3者の住宅変遷を辿り,近代日本住宅史における白樺派建築の位置付けについて考察すること,3.研究で得た知見を基に『我孫子コロニー』を再評価し,3.旧邸跡の保全や活用を目的とした新しい地域計画を実践することである。
著者
岡村 健太郎 安井 昇 加來 千紘 腰原 幹雄 今本 啓一 大島 耕平
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.13-24, 2018 (Released:2018-08-31)

焼杉に関する研究を通し,以下のことを明らかにした。まず,インタビューおよび辞書調査により,特殊で特権的な技術として捉えていた焼杉が,安価でごくありふれた技術であった可能性を指摘した。また,滋賀県以西に分布するとした既往研究に対し,深層学習とGoogleストリートビューを用いることで,より詳細に地域分布を明らかにし,その要因を分析した。一方,耐久性能については,今回の実験では実証することができなかったが,その要因分析から「炭化層」の裏 にある「受熱層」に関する仮説を新たに構築した。さらに,焼杉の普及に向けた課題および解決策を整理し,今後の研究展開として,ファサードエンジニアリング研究の構想を描いた。
著者
矢吹 剣一 黒瀬 武史
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.141-152, 2019 (Released:2019-05-01)

本研究では,深刻な人口減少を経験した米国の衰退工業都市で策定されている空洞化地区の土地利用転換を図る総合計画(縮退型都市計画)の戦略性を分析した。主には産業用地(工場跡地)の 用途転換や,空洞化に応じた低密住宅地への土地利用転換,住宅市街地の産業用地への転換が計 画されており,一部の自治体では人口減少時代の不確実性に対応するための「可変性」を内包した土地利用計画が策定されていた。新規居住者の流入を抑制する土地利用である居住抑制地区の導入(規制化)は困難であることが判明したものの,土地の低密度化による地区の安定化を図るための知見が得られた。
著者
水島 あかね 野中デュルト 沙羅セシィル
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.49-60, 2023-03-31 (Released:2023-06-15)

神戸市塩屋は,明治以降に外国人が多く居住した地域で,昭和初期に開発されたジェームス山外国人住宅地が現存する。近年は若い世代やクリエイターの移住や店舗の新規開店が相次ぎ,新旧の住民が共生している地域でもある。本研究では,昭和の記憶を持つ住民への聞き取り等により,住民と外国人との日常での直接的な関わりはあまりなかったものの,外国人の増加により,外国人と関わる仕事が創出されたこと,ジェームス山があるために戦時中安全だったと信じられていたことなどから,戦争を経ても外国人を好意的に受けとめ,異文化を受け入れる土壌は,外国人との共生により生まれ今日の塩屋に引き継がれていることを明らかにした。
著者
田中 厚子 松下 希和 赤澤 真理
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.1-12, 2022 (Released:2022-05-10)

日本の住宅の近代化における女性の役割に関する研究の一端として,戦間期に女性が施主となった住宅6件を対象に,婦人雑誌というメディアを通した近代化への貢献および憧れの醸成について分析した。住まいの外観は,海外渡航の有無によって和風と国際様式に二分し,起居様式は床座,椅子座,混合に三分した。それらの平面計画は一例を除き伝統的な座敷などの家父長制の名残はなく,自立した女性としての要望を満たしていた。室内には布地と色彩へのこだわりがあった。憧れには施主の交友関係における住まいへの憧れと,一般読者の憧れの二重構造があり,婦人雑誌の記事では,本人が住まいの写真に写ることで憧れを呼び,共同の意識を生み出した。
著者
山口 健太郎 園田 眞理子 三浦 研 中嶋 友美
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.131-142, 2022 (Released:2022-05-10)

本研究では,住宅型ホスピスを対象に家族の語りから,平常時およびCOVID-19下における家族の場の形成過程について明らかにする。調査方法は家族,管理者に対するインタビュー調査および管理者に対するアンケート調査である。以下に結果をまとめる。(1)平常時において家族は時間と空間の共有を通して,環境に対してなじみ,住宅型ホスピスの部屋を自宅にある入居者自身の部屋の延長上として捉えていた。(2)住宅型ホスピスではCOVID-19下においても家族の訪問や看取り時の家族の立会いが行われていた。(3)COVID-19下における看取りの事例から,短期間の入居であっても住宅型ホスピスの中に家族の場が形成されていた。
著者
中村 航 畑中 久美子 村本 真 山田 宮土理
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.143-154, 2022 (Released:2022-05-10)

本研究は,地震が多発し雨の多い日本においては珍しい,土を積んだ壁を有する建築に着目して,現地調査,材料実験および環境測定を行ったものである。現地調査の結果,小屋の構成について,構造形式や軸組部分との関係から分類を行い,用途や分布地域,および土積み壁部分の構成との関係を確認した。土積み壁から採取したサンプルを対象とした材料実験では,建物の鉛直荷重を支える強度があり,土だけで積む場合より,同時に石も積む場合の方が細粒の土を用いる傾向が確認できた。環境測定では,土積み壁を持つ建物は,外気温と比べて温湿度が安定しており,土の持つ蓄熱性と調湿性による効果が確認できた。
著者
村上 淳史 畔上 順平 鈴木 康右 百海 裕樹
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.131-142, 2020 (Released:2020-06-01)

日本の木造住宅は近年,プレカットを用いた生産が一般的となり,分業化が進んだ。急激な生産システムの変化に伴い,「間取りと架構の一体性」など設計の基盤となるべき部分が崩れつつある。そこで本研究では,構造と生産の実態について,構造面では仕様規定の簡易計算と許容応力度計算を行い,生産面ではプレカット工場へヒアリングを通じて明らかにすることを目的とする。その結果,構造面では仕様規定の壁量調査において調査対象の約2割で規定を下回る物件が存在していることが分かった。また,デザインレビューを行い,より安定した住宅になるよう設計改善手法を提案する。
著者
菊地 成朋 牛島 朗 天満 類子 赤田 心太
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.199-208, 2019

「茅葺きの補修を自らの手で行い,地域システムとしての再生をめざす」 福岡県うきは市の新川田篭地区には茅葺き民家が数多く残っているが,それらの多くは持続の困難に直面している。そのような茅葺きの空家を使って,素人による茅屋根の補修を試みる活動を行なった。専門家に助言をもらいながら,茅葺きの道具づくり,茅材の調達,技術習得と実践,集落住民らとの茅葺きワークショップを実施し,その過程を記録することで,非専門家がどこまで茅葺き工事に参与できるのかを検証した。それによって,かなりの作業を担える可能性が確認できたが,同時に想定していなかった課題も見出された。今後は,地区内での茅場再生にも取り組み,地域循環的な営みとして茅葺きが行われることを目指し,活動を続ける予定である。
著者
須永 修通 小野寺 宏子 熊倉 永子 荻野 司
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.83-94, 2019

現在,集合住宅はわが国の都市居住形態の中心をなす存在となっているが,その室内温熱環境に関する研究例は戸建住宅に比べて少なく,さらに,蒸暑地域(気候区分7,8地域)における調査例はごく僅かである。一方,筆者等の研究で東京多摩地域の集合住宅において熱中症の危険度が高いことが明らかになり,東京以西の集合住宅における危険性が危惧された。本研究では,高知,沖縄の集合住宅を対象として調査を行い,夏季冬季の室内温熱環境の実態データ(室内温湿度や居住者の意識・温熱感覚など)を得,既往研究のデータも合わせてその特徴や熱中症の危険性について明らかにした。また,各地域の気候に適した改善手法について検討・提案した。
著者
鈴木 真歩 早川 静 関村 啓太 薬袋 奈美子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.25-36, 2021

本研究は,日本女子大学に現存する戦前の鉄筋コンクリート造の学生寮「明桂寮」(東京都豊島区,佐藤功一設計,清水組施工,1927 年)の保存に向けた研究である。まず文献調査により平面計画と意匠の由来を明らかにし,独自性と重要性を示す。また文献にてらしながら構造形式の特徴を明らかにし,加えて建物の目視観察やコンクリートコアの採取によって施工の実態を推定する。さらにその含水状態と鉄筋の腐食の関係を分析し,コンクリートの経年劣化の研究にも資することを目指す。耐震診断も行い,建物の価値をふまえつつ今後の利活用策についても提示していくものである。
著者
萩原 拓也 田中 暁子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.85-96, 2018

本研究は,リアス式海岸集落における災害対応を想定する枠組みの提示,地域の災害強度を高める復興計画や日常的環境整備に関する示唆を得ることを目的とする。研究方法は,まず,インタビュー調査・文献調査から東日本大震災以前の過去の津波災害時における災害対応を把握した。次に,インタビュー調査・文献調査から東日本大震災以前の地区内の物的環境・社会的環境を把握した。更に,地区住民に実施した東日本大震災時の避難行動実態調査を基に,地区内の物的環境や社会的環境が災害対応に寄与または阻害したかを分析した。 以上を通し,リアス式海岸集落における災害リスクの把握手法の提示,災害対応に寄与する環境整備の提示を行った。
著者
佐伯 亮太 藤田 武彦 笹倉 みなみ 中村 義弘
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.203-212, 2018

「団地の空室活用によるコミュニティづくりと団地再生の実践」1970 年代に建設された民間所有の5階建て階段室型団地(農住団地)の空室をシェアスペースに転用(DIY リノベーション)し活用することで,地域コミュニティづくり,団地住人の居住環境の改善,団地の入居率改善をねらった実践である。実践にあたっては,建物所有者,住人,外部協力者でのチームを立ち上げた。2017年10月現在,シェアスペースでは日常的に地域住民,団地住人が参加できるイベントが開催され,また団地の入居率も改善されるなど,一定の成果を見せている。本実践活動は,今後,急増することが予想される同様の建物の活用方法を模索するためのケーススタディである。
著者
加藤 壮一郎 水島 治郎 嶋内 健
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.165-176, 2019 (Released:2019-05-01)

2010年10月デンマーク政府は非西欧圏移民の居住率が 50%を超え,生産者人口(18~65歳)の40%以上が失業し,18歳以上の地区住民の犯罪率が2.7%を超える29か所の社会住宅地区を,「ゲットー(Ghetto)」と定義した。1950年代以降,全国の主要都市郊外に建設された社会住宅地区では,1970年代以降,移民・難民が集住するゲットーゼーション (Ghettoisation)が起こった。1990年代以降これらの社会住宅地区での貧困化,治安悪化,犯罪などが多発している。本稿では,デンマークの社会住宅地区におけるゲットーゼーションに注目し,ゲットーがどのように形成されたかを主に移 民・難民,住宅政策のアプローチから考察する。
著者
安部 美和 大西 康伸 長谷川 麻子 本間 里見 下田 貞幸
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.167-178, 2020 (Released:2020-06-01)

本研究では,災害後の集団移転を伴う生活再建では,用地の確保とライフスタイルの維持が移転先選定において重視されるという仮説のもと,大正3(1914)年の桜島噴火を事例に検証することを試みた。長距離かつ出身地区が異なる被災者同士の集団移住事例であるにもかかわらず,これまで移住先での生活について明らかにされることはなかった。本研究では,2年を要した移住者子孫への聞き取り調査の結果から,国内への集団移住者に比べ土地所有や生業に就くことは難しくなかったこと,日本式の住宅や生活環境が維持された一方で,故郷の文化は言葉と食事に僅かに残るのみであったこと,小学校を中心とするネットワークが形成されていたことが明らかになった。