著者
小柳 達男 野呂 春暢
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.670-672, 1953

1) ラッテにホモスルファミンを与えて腸内の微生物によるフラビン合成を阻止しておき,飼料中の澱粉を等カロリーの脂肪酸で置き換えると尿からのフラビン排泄が減少する.<br> 2) 尿中フラビンは体内のフラビン飽和度を反映するものだとすると,脂肪酸の酸化には澱粉の酸化よりもフラビンをより多く必要とするものと考えられる.<br> 3)脂肪酸の種類により,その代謝に要するフラビン量に差があり,オレイン酸は最も少く,ステアリン酸,リノール酸は多量にフラビンを消費する.<br> 終に臨み御助言を賜つた東京大学農学部の尾崎準一教授に厚く感謝する.なお本実験は文部省科学研究費によつた.