著者
野坂 裕一 鈴木 光次 山下 洋平 齋藤 宏明 高橋 一生
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.273-273, 2011

2010年4月および6月の親潮域において,植物プランクトンの群集組成と光合成特性と共に,透明細胞外重合体粒子(TEP)分布の特徴を調査した.4月は珪藻ブルームが発生し,表層(5m深)における植物プランクトンの光合成活性が相対的に高かったのに対し,6月は珪藻ブルームが終焉し,光合成活性も低かった.4月における表層のTEP濃度は,6月と比較して,2-3倍高かった.観測期間中,表層のTEP濃度とSi(OH)4/NO3比の間に高い相関(r = 0.94, p < 0.01, n = 6)がみられたことから,珪藻類の栄養塩取り込み活性がTEP生産を支配していたことが示唆された.